内容説明
第三巻には、開かれた視野を持って一人の日本人として生き、今も伝説や物語を通して生き続ける人びとの伝記を収録。その思想とひびき合う本についての随筆をまとめて一巻とした。
目次
高野長英(水沢の人;留守家臣団;蘭学社中;西方の人;無人島;脱獄;同好の士;無籍者の死;よみがえる長英)
「鞍馬天狗」おぼえがき
夢野久作―迷宮の住人(夢野久作の世界;杉山泰道の生涯;作品の活動)
漫画から受けとる
自分を探す本(吉野源三郎から『寄生獣』まで)
自分の内部に辺境があるという前提が方法に(『辺境・近境』)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
60
私は鶴見俊輔をわかりたいと思う。伝記的にわかりたいのではない。思想家なのでその思想をわかりたいと思っている。私の好きな坪内祐三や呉智英が彼を褒めているのを若い頃に読んで以来気になっていた。私の読友さんの一人がある事で鶴見さんに相談したそうだ。その答えが素敵であった(ここには書かないが)。対談の様な著作しか読んでいなかったので、まとまった著作に挑戦してみた。『高野長英』も『夢野久作』も評伝である。二人とも私の好きな人物ではない。この二人が何故鶴見俊輔のお眼鏡に叶ったのかを知りたかったのだ。(続く)2016/10/09