杉浦日向子全集 〈第4巻〉 百日紅 下

杉浦日向子全集 〈第4巻〉 百日紅 下

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  • サイズ A5判/ページ数 349p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784480701848
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0379

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

34
北斎と娘・お栄との日々を綴った『百日紅』だが、江戸そのものに対する膨大な知識を持っていた杉浦なのだから、北斎についても同じように知っていたはずだ。ところが『百日紅』は、北斎の偉業から、あえてはずれた場所を描く。そこがいい。それでいて、お栄との関係や、起こる怪異、そして末娘・お猶への想いから、少しずつ絵師・北斎の、何より人間・鉄蔵の内面が滲み出てくる。読んでいると、この頃の江戸が一番、人が幸せだったのかもしれないと思えてくる。この名作を、原恵一がいかに料理しているか、映画版が楽しみだ。2015/05/13

mm

26
上・下とも読了。葛飾北斎55歳頃の身辺雑記が大枠。娘のお栄は北斎の代筆もできる腕の立つ絵師だが、行き遅れで恋はウブ。居候の善さんは、腕はイマイチだけど、色気のある春画が人気の遊び人。他にも、北斎の愛人とか、豊国門下の絵師等々が登場する。「色」の道、人情の掛け合い、怨念のしがらみを、表す潔い絵の線。上手いですね。江戸には魔物も、妖怪も、化け物も、人間と共存していたのでしょう。それを紙の上に写し取る絵師も、いわば半分魔物だったのかもしれません。2018/04/08

職商人

12
上巻を合わせ、楽しみました。いまさらながら、惜しい方が夭逝されたと思う。けれど、作品はこのように残っている。素晴らしい。2014/04/26

nabe2511

8
杉浦さんの大好きな江戸の日常が細やかに描かれています。六本木の森美術館でやっていた新北斎展の予習にぴったりでした(^O^)。2019/03/24

ペロ

6
夢かと思えば現実、あの世かと思えばこの世、化け物かと思えば人間、嘘かと思えばまこと、そしてその逆もしかり。そんな世界観を自然に受け入れる北斎たち江戸の人々の発想はとても豊かだ。それにくらべて情報が溢れている現代人のイマジネーションはお寒い限りです2015/06/10

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