出版社内容情報
経済学の考え方はひとつではない。これまでにさまざまな学説が生まれ、対立し合ってきた。「経済成長」「バブル」「競争」の三つの基本テーマで経済学の多様性を学ぶ。
内容説明
経済学の考え方はひとつではない。これまでにさまざまな学説が生まれ、対立し合ってきた。「経済成長」「バブル」「競争」の三つの基本テーマで戦後経済をふり返りながら、経済思想の多様性を学ぶ。
目次
第１章 経済成長への夢（経済成長と豊かさ；ケインズ経済学の考え方；所得倍増計画 ほか）
第２章 バブルの宴のあと（わが国のバブル経済の特徴；ガルブレイスの警告；フィッシャーとミンスキー ほか）
第３章 競争とは何か（完全競争；近代経済学者の意見書；「イノベーションの促進」までは言えない ほか）
著者等紹介
根井雅弘［ネイマサヒロ］
１９６２年宮崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専攻は現代経済思想史。経済学の歴史を丁寧にひもとき、経済学者らが残していった思想や考え方を、多くの読者に伝えつつ、経済学のさらなる発展に努めている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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コウメ
61
「ノート」繰り返されるバブルの歴史。バブルの歴史をひもといてみると、過去の優れた経済学者がその危険性を解いたのにかかわらず。何度も同じような経験を繰り返している。そこには単なる経済理論では説明できない要因があるとしか思えない。バブルの歴史に精通していたガルブレイスは、そこから何らかの経験則を引き出そうとした。／第一は「金融に関する記憶は極度に短い」ということ過去には何度も大きなバブルやその突然の崩壊をけいけんしているが、「喉元をすぎれば熱さも忘れる」で金融の世界ではそれが驚くほど早く忘れる。2019/10/02
コウメ
53
「ノート」日本が高度成長時代に突入する前に経済成長至上主義に疑問を持っていた経済学者「ガルブレイス」の内容。/ガルブレイスは消費者主権（経済活動において生産者ではなく、消費者に主権がある）は現代資本主義の特徴を捉えていないと考えた。なぜなら現実には企業のほうが広告や宣伝などを効果的に駆使して消費者の欲求を創り出しているからいるから、欲求は生産に「依存」していることになっている。ガルブレイスはこれを「依存効果」と名付けた。/「依存効果」が本領発揮するのは、ある程度の豊かさを実現した社会になってから、2019/09/22
アベシ
22
全編で100ページ余り、この薄さに高をくくって読み始めた。「経済成長」「バブル」「競争」という言葉が経済史のなかでどのように取り扱われてきたかということを、ケインジアン的な視点で書かれた本ということでしょうか？文中にガルブレイスが度々引用されますが、資本主義という経済体制はなかなか一筋縄ではいかないことが想像はできます。恐慌についてガルブレイスが言っている注意点、1、金融に関する記憶は極度に短い、２、金と知性が一見密接に結びついているかのように思われている。この点を肝に銘じて読了。 経済史、難しい！！2020/02/09
壱萬弐仟縁
16
ささめやゆき氏の筆ペン（？）画が数枚描かれているのはユニークである。 ガルブレイスが、社会的バランスの欠如としたのは、豊かな社会なのに公共部門が極貧に放置されやすいというもの（２２頁）。プライバシーや静穏や清涼な空気を愛するミシャンは、著しい環境破壊を伴う外部不経済に選択の余地を拡大する解決策を強調（２５頁～）。マーシャルは、経済学が富の研究と同時に人間の研究であることを強調していた（３４頁）ことは、彼が地域産業の理論も経済学原理Ⅱで書いていたとおり。 2014/10/03
calaf
15
サブタイトルにある、経済成長、バブル、競争という三点に関して、現在の経済学ではいろいろな考え方が存在しているという事を解説。経済学はまだまだ発展途上の学問という事？？？2013/11/18
