出版社内容情報
神話は単なるファンタジーではない。なぜ古代の人々が見えない神々の世界を想像したのか、〈自然〉と〈人間〉の接点を舞台に読みとく。わかりやすいあらすじつき!
内容説明
神話はたんなるファンタジーではない。なぜ古代の人々が見えない神々の世界を想像したのか、“自然”と“人間”の接点を舞台に読みとく。『古事記』の全容がわかる、あらすじ紹介つき。
目次
「いま、ここ」の向こうに
第1部 あらすじで読む『古事記』―神と人の物語(神々の物語(上巻編)
神々の子孫の物語(中・下巻編))
第2部 古代人が出会った“自然”―神と人のまじわる場所(最初の出会い―水と生命がまじわる場所;箸と橋と柱―天と地をつなぐ場所;大地の母胎―死と再生の場所;“食べる”身体―内なる自然)
再び「いま、ここ」の世界に
著者等紹介
坂本勝[サカモトマサル]
1954年神奈川県鎌倉市生まれ。専修大学大学院博士課程満期退学、法政大学文学部教授。専攻は上代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
16
最近平安時代のものを読んでて、歴代天皇とか全然分からないなぁと思い、せっかくなので、神世の時代から振り返って学んでみようかと。昔読んだ記憶のある神話なども、改めて読んでみると新鮮で奥深い。古代の言葉などの説明もあって、分かりやすくてよかったです。といっても、ちゃんと覚えてられるかは別問題なのですが…2015/01/26
壱萬弐仟縁
10
『古事記』と『日本書紀』の相違は、文体や神話群への姿勢であった(16頁~)。前者は和文、後者は漢文。マタチ真刀(素晴らしい刀剣)。『常陸国風土記』の崇り(自然の霊威)の話。天罰は下るものだ。神話とは、自然への崇敬があったり、よからぬ行為を戒めるためにもあるのではないか。だから、現代人でも思い当たる節がある人は、古代の教訓を活かす必要がある。峰ろ霊(をろち)というのは知らなかった(113頁)。霊峰は身近にあるが、そうした自然への畏怖を忘れては天罰が下る。謙虚に生きる必要があると改めて思う。2013/05/29
calaf
8
『古事記』と『日本書紀』は、重なる内容も多いという事は知っていたけど、前者は自分たち向け、後者は対外(特に中国等の大陸国)向けだったようです。文体からして違うらしい...なるほど。2012/04/09
マーブル
7
ちくまプリマー新書は若者向けのラインナップなのかな。先日読んだ柳田国夫もそうだったけれど、初歩的なところを押さえてくれている。あらためて確認するのも恥ずかしいようなことも教えてくれるありがたさ。ちょっと知識を持ったつもりになって、不遜なことを考えてしまう自分を戒めることを思い起こさせてくれるおまけの効能。『古事記』の神話を中心にした上巻に重点を置いてあらすじを読ませてくれるのも初心者にありがたい。その後の退屈を感じてしまう中、下巻はさらりと流してくれる。あくまでも興味を持ってもらえるような配慮を感じる。2018/12/23
みーこ@ただのねこ(春毛)
5
前半部の分かりやすいあらすじがありがたかった。『古事記』の話のうち、知っているのはほんとに一部分なんだなと知って驚き。2012/12/17