出版社内容情報
20世紀を作ったと言われる経済学者たちは何をどう考えたのだろう。その苦闘した痕を辿りながら、21世紀を生きる私たちに資本主義の本質を問い直す。
内容説明
二十世紀をつくったと言われる経済学者たちは何をどう考えたのか。自由主義とは何か?社会主義とは何か?不況はなぜ起きるのか?経済学者たちが考え、苦闘した思想の痕をたどりながら、二十一世紀を生きる私たちに、資本主義の本質を問いなおす。
目次
第1章 二十世紀のあけぼの―資本主義の本質を求めて(ケインズとシュンペーター;シュンペーターが育った世紀末ウィーン ほか)
第2章 社会主義の壮大なる実験―ハイエクの異論(「マル経vs近経」という図式の消滅;社会主義下での経済計算は可能か? ほか)
第3章 資本主義の賢明なる管理を求めて―ケインズの思想と理論(ひときわ著名なケインズ;「自由放任主義」の終焉 ほか)
エピローグ―二十世紀と経済学の三巨星(イノベーション需要の好循環;他者との相互交流を)
著者等紹介
根井雅弘[ネイマサヒロ]
1962年宮崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専攻は現代経済思想史。経済学の歴史を丁寧にひもとき、経済学者らが残していった思想や考え方を、多くの読者に伝えつつ、経済学のさらなる発展に努めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コウメ
50
本書はケインズのライバルだった。「シュンペーター」について書かれていた1冊。シュンペーターの幼少期が書かれていて、シュンペーターが最初に興味を持ったのが「一般均衡理論」需要と供給が等しい時に使われる言葉。彼は「一般均衡」(特定の財ばかりでなく需要と供給を等しくする)に興味を持ち研究。若かりし頃にあったワルラスという経済学者の一般均衡理論を晩年にあたるまで高く評価。しかし、シュンペーターはワルラス理論に欠点があるのを気づく。2019/09/17
呼戯人
16
宇沢弘文の「経済学の考え方」という重厚で難解な岩波新書を読んだ後なので、高校生用の優しい本でリフレッシュしようとか思ったら、予想に反してちくまプリマー新書にもかかわらず難解で重厚な比較学説史だった。とりわけシュンペーターの説明が面白く、世紀末ウィーンでベルクソンやニーチェの影響を受けて経済理論を打ち出したという説明に頷くことしきりだった。イノベーションを創造する企業人という人物像がニーチェの超人から来ているなど、面白い連想がたくさんあった。だがネオリベを作ったハイエクを評価するなど胡散臭いところもあった。2019/06/08
calaf
7
前作『経済学はこう考える』(ちくまプリマー新書100)の続編という位置付けらしい...前作は読んだはずだけど、内容はあまり覚えていない (大汗) 読書メモを見ると、初心者向けの良い本であったらしい... (笑) で、この本もまぁ、何も知らない人がこれだけ読んでも何となく分かるようには書いてあるので、それなりに良い本ではないかと。内容はどうかは、私には判断できませんが (大汗)2012/04/30
takizawa
7
『経済学はこう考える』の続編ということで読んでみた。シュンペーターを取り上げているのが経済思想の入門書としては異色。シュンペーター,ハイエク,ケインズそれぞれが何を主張しお互いにどこを批判していたのかがよく分かる仕組みになっているので「学問」それ自体の雰囲気を掴むのにも適している。個人的には,経済学者が同時代の哲学書から受けた影響を推論している部分が面白く収穫だった。2011/12/25
みどるん
4
ジュニア向けだけど、やたら引用が多い。すこしは知識が無いと無知からは理解しづらい。薄い本だけど内容的にはもう少し薄くできる気がする。シュンペーターとシュペングラーをいつも混同してしまう。2013/12/15