ちくまプリマー新書<br> 「お客様」がやかましい

電子版価格
¥770
  • 電書あり

ちくまプリマー新書
「お客様」がやかましい

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 180p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480688316
  • NDC分類 361
  • Cコード C0236

出版社内容情報

「神様」として扱われたお客様は、逆に欲求不満を増大させ、拝金主義や暴力をも引き起こしていく。「お客様」社会の問題点を考える。

内容説明

現代の日本社会は「お客様=神様」として扱うが、客の不満はゼロになるどころか、不満は増大し、自主性の欠如や拝金主義、暴力につながっていく。「お客様」社会の問題点と脱却法を考える。

目次

第1章 「お客様」社会先進国ニッポン(消費者社会としての日本社会;「お客様」社会としての日本社会;広がる「お客様」化;「お客様」になれば認めてもらえる)
第2章 「お客様」による暴力はなぜ増える?(「お客様」社会は問題か?;「お客様」は「荒ぶる神様」;「お客様」が暴力的になる理由)
第3章 客を客とも思わない店員―労働者から誇りを奪う「お客様」社会(「お客様」社会の逆説;スーパーと職人;スーパー、職人、マニュアル;失礼なバイト店員が増えた理由;失礼な職人的店員が増えた理由)
第4章 教育の「お客様」社会化は、学ぶひとを不幸にする(学校教育の「お客様」社会化;「お客様」社会化した大学の現状;「お客様」社会化した大学の問題点;学校教育の「お客様」社会化マッチポンプ)
第5章 「お客様」意識からの脱却(不満排除システム;不満排除の逆説的帰結;せいぜい「お客さん」)

著者等紹介

森真一[モリシンイチ]
1962年生まれ。神戸市外国語大学卒業後、関西学院大学社会学部卒業。同大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。現在、皇學館大学文学部コミュニケーション学科教授。専門は理論社会学、現代社会論、消費社会論。日本の消費社会を「お客様」社会と捉える研究に挑戦している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

63
読む前「お客様」がやかましいというタイトルから、クレーマーの話かと思いきや違った。「お客様」という言葉が、今あらゆるところで使われている一方では、その「お客様」自身、「お客様」に対応する側の間に様々な摩擦による多くの問題が起きていることを知った。マニュアル化で接客を標準化する目的であったものが、おかしな敬語や対応、クレームのきっかけやトラブルの引き金になっているようだ。スピードや納期を求め過ぎることによって品質が疎かになる可能性を薄めようとするためのサービスにも問題があるように感じた。2015/12/05

さゆ

21
我が国がいかに「お客様社会」かを丁寧に説明していてくれていた。でもね、「お客様」じゃない人も、現実はちゃんといます。ただ、そういう人が多くなっているのは事実ですよね。根底にあるのは「大事にされたい」という思いと、そしてストレスなのではないかと思う。「どうしたら「お客様社会」から、脱却できるかは各々、考えてください、提示するとそれが「マニュアル」になりますから」とのことだが、一つくらい、提案があってもよかったんじゃない?と思った。2010/12/10

スリーピージーン

19
過剰包装にマニュアル接客、奇妙キテレツ敬語、ポイントカードお持ちですか攻撃。十数年前からずっと変だ変だと思っていたのはやっぱり私だけじゃなかった。教育現場の「学生様」化と医療施設の「患者様」化も情けなくて涙がでそう。 「お客様社会」が増長しているのに、失礼な店員や傲慢職人はふえている。つまり売り手も買い手もモンスターとは私の暮らす社会はすごいことになっていたのだ。働く側も誇りなんて持ちあわせていられないのだろう。この本を読んだら少し納得できたから、嫌な目にあっても冷静でいられそうだ。2015/06/24

ごへいもち

12
プリマー新書は年齢的にちょっと合わなかった気がする。これを読んでなるほどと思うようなことがあまりなかった。 2012/01/30

calaf

10
不満をどんどん取り除いていくと、人は本当に幸せになれるのだろうか?そうじゃないかもしれない...という主張。物事何でも利点と欠点があります。「お客様は神様」...それを極めていくと、危険な世の中になるのかも...2010/09/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/511450
  • ご注意事項