出版社内容情報
中国大返しに潜む秀吉の情報網と権謀を推理する「秀吉はいつ知ったか」他「歴史」をテーマにした文章を中心に選んだ奇想の裏側が窺えるエッセイ集。
内容説明
中国大返しに潜む秀吉の情報網とその裏にあっただろう権謀を推理する「秀吉はいつ知ったか」。福澤諭吉と榎本武揚の心理とそのすれ違いを考察する「その後の叛将・榎本武揚」。歴史的人物の評価の移りかわりや役割の大きさについて思いをはせる「大楠公とヒトラー」―天才伝奇小説家山田風太郎の発想がかいまみえる「歴史」をテーマにした文章を中心に編まれるエッセイ集。
目次
1 美しい町を(春の窓;無題 ほか)
2 わが鎖国論(新貨幣意見;映画「トラトラトラ」 ほか)
3 歴史上の人気者(歴史上の人気者;善玉・悪玉 ほか)
4 今昔はたご探訪(根来寺;今昔はたご探訪―奈良井と大内 ほか)
5 安土城(安土城)
著者等紹介
山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年、兵庫県養父郡の医家に生まれる。『甲賀忍法帖』『くノ一忍法帖』などで数々の“風太郎忍法”を生み出し忍法帖ブームをまきおこす。1997年第45回菊池寛賞を受賞。2001年7月28日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
42
タイトル「秀吉はいつ知ったか」のような戦国や赤穂浪士、幕末など歴史にまつわる山風先生のエッセイ集。 /この世は虚構だ。この世はすべて虚構だと考えると空しいけれど、しかしそれがこの人間世界だとあきらめるよりほかはなかろう。 / 大衆の喝采を受ける正義はいくぶん狂気の分子をふくんでいる。/ シニカルな人生観は戦争や戦後の変わり身の早い人々を見つめてきたからだろうか。2015/11/26
ヨーイチ
33
山田風太郎のエッセイ集。小説と違って割と淡々とした文章が多い。あれだけ小説を書きまくっていたので、無理に仕事を受ける必要も無かっただろう。東京・多摩市(最寄りは聖蹟桜ヶ丘)住まいの身辺雑記が意外な程新鮮であった。学生時代は八王子住まいで京王沿線が懐かしかったからかも知れない。作家のタレント化が当たり前になった現代から見ると、静かな執筆生活が伺える。長期にわたる規則正しい夜型。「妖説太閤記」も「魔軍の通過」も既読なので、まあ、確認という感じ。続く2015/10/13
タツ フカガワ
26
初めて読んだ山風先生のエッセイがこんなに面白いとは。身辺雑記から政治、歴史観などを読むほどに、あの破天荒かつ独創的な発想の一端が垣間見えてくるようです。また苦笑、微笑、吹き出し笑いありのとても楽しい読書でした。それにしても山風先生の博覧強記には驚きました。2020/03/08
誰かのプリン
18
山田風太郎初読み本。歴史に関する推察が鋭いと思います。他の作品も読んで見よう。2020/04/02
さきん
17
中国大返しに潜む秀吉の情報網とその裏にあっただろう権謀を推理する「秀吉はいつ知ったか」。福澤諭吉と榎本武揚の心理とそのすれ違いを考察する「その後の叛将・榎本武揚」。歴史的人物の評価の移りかわりや役割の大きさについて思いをはせる「大楠公とヒトラー」著者は少し浪費癖があるようだが、作品は読んでみたいと思った2015/10/10