内容説明
旅をするときに本を読むのが人生の楽しみのひとつだ。知らない土地でのさまざまな苦難やヨロコビに満ちた旅が綴られているちょっと変わった旅本を読むのは無上の喜びだ。漂流ものや無人島ものを読んで、サバイバル生活にドキドキし、挫けず生き抜く様子に胸を打たれるのもいい。本に、旅に日々心を惑わされる著者の、エッセイ&こだわり本ガイド。
目次
頭の中の宝モノ(ニッポンやれやれ風景;わが愛しの包丁;海べりの町で ほか)
行ったり来たり流れたり(めざせ「ウ・リーグ」;都心の蟄居;すまぬすまぬと波照間島 ほか)
心惑わす活字生活(漂流記オールタイムベスト20;一九九九年に読んだ本;嬉しくてもどかしい「こだわり本」 ほか)
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年東京都生まれ。作家。写真家、映画監督としても活躍。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
91
「心惑わす活字生活」と題したシーナ氏気に入り本の紹介がやばい。紹介された本一三三冊全てを買うわけにはいかない。ここは「買いたい、読みたい」気持ちをグッとこらえて数冊に絞り込もうではないか、と冷静な判断した。『ぶっかけ飯の悦楽』『母のないキッチンで』『かわらの小石の図鑑』『カミハタ探検隊熱帯魚の秘境を行く』『古生態図集・海の無脊椎動物』『もしも月がなかったら』『わしの新聞』『私の嫌いな10の言葉』『チャリンコ日本一周記』ちなみに絞りに絞った結果、最後の最後に購入をあきらめた本は『うんち大全』であった。(笑)2015/08/24
へくとぱすかる
64
シーナさんは、冬の夜にあたたかいベッドにもぐりこんで、旅の本を読むのだそうだ。あやしい探検隊の、何だか年中キャンプをしているイメージがあるが、とにかく本を読みたい人なのである。内容はバラエティ豊かで、旅の話、本の紹介、社会人スタート期の思い出等々、「~大全」と名のつく本の紹介があるが、本書は「シーナ大全」なのかもしれない。私も枕元の愛読書にしよう。2019/11/16
nemuro
47
“しりとり読書”の102冊目。ミステリ本のような“終盤の加速”もなく、ついまったりとしてしまう。そんなエッセイ本の例に漏れず1カ月を要しての読了。2度目の函館時代、2015年10月の日曜日、「紀伊國屋書店札幌本店」での購入。同年12月以来の再読。「近頃、週末といえば“ゴトゴト列車に揺られて読書と酒”な日々を多く過ごしている私にとって、実に感慨深い」旨、暢気に述べている。定年退職目前。忙しさに辟易しつつも週末の列車旅にて北東北や道内各地をとんぼ返り。オンオフを切り替え旧交を温めながら持ち堪えていた頃が甦る。2023/10/10
ホークス
32
久しぶりに新宿を歩いていたら、椎名氏ゆかりの池林房を見つけた。昼間の居酒屋はそんなものだろうが、かなりうらぶれた風情で、思わず長い年月を考えてしまった。学生時代、サークル仲間で氏の真似をして島や山に出掛けた。国分寺書店のオババなども回し読みし、一種のアイドル的存在だった。本書は「本の雑誌」掲載のエッセイと書評で、独特のややぶっきら棒な語り口が楽しい。書評は少し古いものの、ノンフィクション選びが流石に素晴らしい。こだわりつつも理屈に頼り過ぎない所が良い。漂流記ベスト20が良い。旅本も大充実でありました。2017/03/18
ドナルド@灯れ松明の火
25
ちょっと昔14年前の単行本(本の雑誌社)の文庫化(筑摩書房)タイトルも変わっているらしいが旧タイトルが良くわからない。それはともかく、相変わらず楽しくなるエッセイ(日記風)と椎名さんが読んでお薦めの各ジャンルの本の紹介。椎名さんは「漂流」物と「大全」物が好きなんだなあと再認識した。2015/10/27