内容説明
『楢山節考』で登場し、文壇に大きな衝撃を与えた深沢七郎。『笛吹川』『言わなければよかったのに日記』など、独特の世界で知られる作家の作品コレクション。「流」の巻は小説を中心に収録。
著者等紹介
深沢七郎[フカサワシチロウ]
1914年山梨県東八代郡石和町(現笛吹市)生れ。旧制日川中学校(現山梨県立日川高等学校)卒業。1956年『楢山節考』で中央公論新人賞受賞。その作品は文壇に大きな衝撃を与えた。1960年に発表した『風流夢譚』がもとで中央公論社社長宅が右翼に襲撃される事件が起こったため、一時筆を折り各地を放浪。その後、『流浪の手記』を発表して復帰。1965年、埼玉県南埼玉郡菖蒲町に「ラブミー農場」を開き、以後そこに住んだ。1987年心不全のため没
戌井昭人[イヌイアキト]
1971年東京都出身。鉄割アルバトロスケット主宰。『まずいスープ』で芥川賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たつや
3
偶然図書館で見つけたが面白かったです。田舎の描き方がエグい。口減らしで息をする前の子を水に沈めて殺すは楢山節考にも通じる?父が嫁と駆け落ちとか実際あったんだろうな。村上春樹と百八十度別世界が逆に新鮮!2021/12/05
志田健治
1
「千秋楽」の何とも言えない人間味、いや、人間らしさなどひとつもないのかもしれない。これは無常感なんだろうなぁ。ドラマもないのだが、読むのをやめられない。これが平和の文学というものか。 「みちのくの人形たち」にはやられた。描写も展開も大好き。これは誰にも教えたくない名作だ。
泥岳
0
凄まじい文学を見た。終盤の疾走感。2016/08/29
Brenda
0
たとえば「千秋楽」。大部屋のヤニっぽい壁の色とか、化粧品からラーメンの汁気までまざりあった独特のにおいとか、全部読み手の私が勝手に想像したことなんだけど、雑多?混沌?猥雑?な生々しさが立ち上る。言葉の密度の濃さといったら。どの作品にもある陰と寂しさが、なんだかたまらない。2013/11/11
Hope
0
『みちのくの人形たち』はタイトルの意味が分かった時の衝撃が印象的な作品だった。まさかコケシだなんてね…思わないよね。