内容説明
長引く不況によって、なぜか日本型人事システムが攻撃され、「年俸制」や「成果主義」が新たな活力を与えるとして競って導入された。しかしその結果、多くの企業で職場が荒廃し、機能不全が生じている。そもそも日本の経済成長を支えたのは「賃金による動機づけ」ではなく、仕事の面白さで報いる「仕事の報酬は次の仕事」というシステムであり、それが適材適所につながったのである。成果主義の実態を改めて検証し、日本型年功制の可能性を展望する。
目次
第1章 日本型年功制のどこが悪いというのか(成果主義の赤裸々な実像;日本型の「年功制」とは;人は金のみに働くにあらず;元気に働くための要素;成長を選択するために)
第2章 日本的経営の評価をめぐる右往左往(けじめはつけておかねばならない;いい加減に懲りるべきではないか?;日本的経営論の系譜を辿ってみよう;やがて付けが回ってくる)
第3章 人が働く理由を知っていますか?(仕事への思いを解剖する;自発性は信用しうるか;満足と生産性の関係の二転三転;期待理論の登場とその限界;内発的動機づけの理論)
第4章 未来の持つ力を引き出す(今何が本当に必要なのだろう;「見通し」が与える活力;終身コミットメントの意義;未来傾斜原理をめぐって;揺らぐトップが会社をダメにする)
文庫版への補論 成果主義ブームが去って(そして看板だけが残った;成果主義は論理的に破綻していた;「仕事の報酬は次の仕事」の四つの意味;若者と向き合おう)
著者等紹介
高橋伸夫[タカハシノブオ]
1957年生まれ。小樽商科大学卒業。学術博士(筑波大学)。東北大学経済学部助教授を経て、東京大学大学院経済学研究科教授。専門は経営学・経営組織論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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