ちくま文庫<br> 虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ

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ちくま文庫
虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480427595
  • NDC分類 336.4
  • Cコード C0134

内容説明

長引く不況によって、なぜか日本型人事システムが攻撃され、「年俸制」や「成果主義」が新たな活力を与えるとして競って導入された。しかしその結果、多くの企業で職場が荒廃し、機能不全が生じている。そもそも日本の経済成長を支えたのは「賃金による動機づけ」ではなく、仕事の面白さで報いる「仕事の報酬は次の仕事」というシステムであり、それが適材適所につながったのである。成果主義の実態を改めて検証し、日本型年功制の可能性を展望する。

目次

第1章 日本型年功制のどこが悪いというのか(成果主義の赤裸々な実像;日本型の「年功制」とは;人は金のみに働くにあらず;元気に働くための要素;成長を選択するために)
第2章 日本的経営の評価をめぐる右往左往(けじめはつけておかねばならない;いい加減に懲りるべきではないか?;日本的経営論の系譜を辿ってみよう;やがて付けが回ってくる)
第3章 人が働く理由を知っていますか?(仕事への思いを解剖する;自発性は信用しうるか;満足と生産性の関係の二転三転;期待理論の登場とその限界;内発的動機づけの理論)
第4章 未来の持つ力を引き出す(今何が本当に必要なのだろう;「見通し」が与える活力;終身コミットメントの意義;未来傾斜原理をめぐって;揺らぐトップが会社をダメにする)
文庫版への補論 成果主義ブームが去って(そして看板だけが残った;成果主義は論理的に破綻していた;「仕事の報酬は次の仕事」の四つの意味;若者と向き合おう)

著者等紹介

高橋伸夫[タカハシノブオ]
1957年生まれ。小樽商科大学卒業。学術博士(筑波大学)。東北大学経済学部助教授を経て、東京大学大学院経済学研究科教授。専門は経営学・経営組織論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Humbaba

4
一昔前,成果主義を取り入れることは企業の必須課題であるかのように喧伝された.しかし,実際に運用してみると,その結果は散々なものであった.それに気づいて取りやめるか,あるいは運用によって有名無実化した会社はまだ良かったが,実際にその道に進んだ会社の多くは苦しんでいる.2010/10/20

川原 健太郎

0
14-57/42014/11/10

theぶ㌧

0
「人が働く」という事について非常に鋭い分析がなされていて、それを元にして、所謂「年功序列」と「成果主義」との対比から、成果主義の問題点の指摘がなされていました。しかし、日本的経営を手放しに誉めているわけではない事が、この本にとって最も重要なことだと思います。結局、バランスが大事なんでしょう。(勿論そのバランスは会社によって違うでしょうが)2013/09/11

Masataka Shindo

0
ひとは正解や賃金を目的に働くのではなく、「次の仕事」を目的に働く。即ち、外的動機づけではなく内的動機づけによって働く。成果と賃金が連動する成果主義の下では、好きな仕事の目的が内的動機づけから外的動機づけに入れ替わってしまうのである。2013/11/24

ろーじゃ

0
成果に応じた賃金を払う事は、報酬が次の仕事への動機付けとなり、同僚やライバル企業への競争を促進する意味では資本主義の象徴のようにすら思える。 しかし実際の成果主義は、成果に応じた賃金が指標の全てなので、社員が働いていく上での長期的な目的・目標を見失う上に、最低限のノルマを達成すれば後は怠業に陥るという。 仕事においてベストを尽くす事はなくなり、周囲との競争にも無縁となる。しまいには最低限の仕事をするだけの虚無感に満ちたロボットのような労働者が出来上がるのだ。2013/02/28

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