出版社内容情報
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内容説明
「…私はヤスリにかけられ、文字を書き、たえず終り、移動しつづけることに専心していた。とらえようのない焦燥にあぶられた私はあちらこちらわたり歩き、周辺で考えあぐねてうなだれたり、とつぜんひどい中心にとびこんだりした…」一九六〇年代、開高健が綴った濃密な年月の記録の文章。サイゴン、イェルサレム、そして東京からの“緊急報”、初の文庫化。
目次
サイゴンから
南ヴェトナム“戦国通信”
ジャングル戦記
衆議院での証言
サイゴン‐東京
ヴェトコンの教訓
ジャングルの中の絶望
混沌の魔力
歴史の流れには勝てぬ
ヴェトナム戦争反対の広告〔ほか〕
著者等紹介
開高健[カイコウタケシ]
1930年大阪に生まれる。大阪市立大を卒業後、洋酒会社宣伝部で時代の動向を的確にとらえた数々のコピーをつくる。かたわら創作を始め、「パニック」で注目を浴び、「裸の王様」で芥川賞受賞。ベトナムの戦場や、中国、東欧を精力的にルポ、行動する作家として知られた。1989年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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LOHASPO
2
開高健さんの本は読破したはずなので、これに収録されている対談、エッセイ、ルポも読んでるはずなのに、みごとに忘れきっていて、読破って記録に眼を奪われて中身が伴っていなかったんだなぁ・・・テヘっと笑ってみながら、淋しくもむなしくもあり2011/05/03
tsukamg
1
60年代前半、様々な新聞雑誌に寄稿された政治文化芸術人類学その他、よろずルポルタージュ。時代順に言えば、60年安保、北京訪問、アイヒマン裁判、東京オリンピック、ベトナム戦争。作家として関わっていたゆえか、活動家の情熱より観察者の冷静さが勝る。だが、対象にあまりにも近づきすぎたためか、俯瞰的な立ち位置を見失い、善悪の二元論的な隘路へと徐々に追い込まれてしまったようにも感じる。事実が小説より奇であるどころか、現実が虚構より無であることに気づいてしまった結果が、のちの『夏の闇』だとすれば、痛ましい宿命だと思う。2016/09/01
生駒
1
1960年代のことはあまりピンと来ないけど、神戸市長の原口忠次郎の話は印象に残った。2010/06/16
hsemsk
0
「開高健 電子全集7,8」等にて読了。2017/05/23