ちくま文庫
少年たちはなぜ人を殺すのか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480426246
  • NDC分類 368.7
  • Cコード C0136

内容説明

神戸・酒鬼薔薇事件、佐賀・バスジャック事件、愛知・主婦刺殺事件…1990年前後に相次いだ少年の殺人事件を受け、社会学者の宮台真司と精神科医の香山リカが連続対談した一冊。「少年たちの動機を探しても無意味であり、人を殺すことの敷居が低くなっている」その社会的背景を分析しようとする宮台と、臨床家の立場から少年たちの気持ちに寄り添おうとする香山の掛け合いにより、一連の事件の深層に迫っていく。新たな宮台と香山の対談を附す。

目次

第1章 人と物の区別がつかない少年たち
第2章 少年たちの「理由なき殺人」
第3章 テレビゲームと少年事件
第4章 マスメディアの幻想性
第5章 「底が抜けた」状態にどう対応するのか―映画『ユリイカ』青山真治監督を迎えて
第6章 「脱社会的存在」と精神病理
第7章 重罰化の前になされるべきこと
文庫版のための対談 宮台真司VS香山リカ

著者等紹介

宮台真司[ミヤダイシンジ]
1959年仙台市生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。首都大学東京教授。様々な事象を社会学的観点から考察・発言している

香山リカ[カヤマリカ]
1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を生かして、様々なメディアで発言を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遠山太郎

3
「攻撃性や性衝動ばかりを悪影響とし問題にする特殊的な枠組みでなく、共生原理を支えるコミュニケーションとの両立可能性を問題にする、もっと一般的な枠組みに置き換えるべき。またそれの吟味、どのような共生が社会的有用性(社会的厚生関数)かへの合意を必要とする」 深く同意した。それは社会へ絶望しているからであるし、絶望しないことに絶望しているから。(12011/05/30

静かな生活

2
いきなり香山さんに対する宮台さんの皮肉からはじまる一冊。恐らく本書における最も大きな主題は、現代社会はどれほど「底」が抜けているか、というもの。非常にウマい表現だと思った。常識があるように見えて「底」が抜けている、要は肝心なところが致命的に欠けている、ということだろうか。しかし教育論を雄弁する宮台さんの物言いには、やはり惚れぼれするものがある。宮台真司狙いの読書ではあったが、香山さんの論調が(感情的、恣意的だなと思う所があったけれど)良い具合にマッチングしていた。2017/05/05

まんゆう

2
読むのにものすごく苦労してしまった。『ユリイカ』は観てないし「底が抜けた」という表現も正直想像しにくい。もしかしたら、中学時代の私なら理解できたのかもしれない。でもずっと分からなかった酒鬼薔薇少年の唱えた「透明な存在」の意味・ニュアンスが少し掴めたような気がした。香山さんの名前を見て借りたけども宮台さんの社会学による社会背景の考え方もなかなか興味深かった。これから読む人には『ユリイカ』鑑賞後に読むことを薦める2016/09/03

遊星

2
2001年に出版された本の文庫化。当時佐賀のバスジャック事件の直後だったのだけれど、今もこのタイトルがちっとも色あせていないのは、やはり不幸なことなのだろう。香山が語る少年たちが人を殺す理由よりも、宮台が語るその社会的な背景に関する知見に圧倒された。2010/04/22

ミヅキ

0
女の子は?2016/08/07

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