内容説明
透明なエロティシズムで読者を誘惑する。
著者等紹介
尾崎翠[オサキミドリ]
1896‐1971。鳥取の生まれ。女学校時代に「文章世界」へ投稿を始める。故郷での代用教員ののち上京、日本女子大に入学、「無風帯から」を発表。女子大中退後、文学に専念、「アップルパイの午後」「第七官界彷徨」で一部の注目をあびる。昭和7年の帰郷後、音信を絶つ。戦後一時、行商をしていた。ついで老人ホーム。「第七官界彷徨」があらためて発見されたのちも、面会を固辞、ひっそりと死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
44
読んでいて楽しかったです。生き生きとしていて可愛らしい空気感が流れていました。滑稽だけど真面目な味も良いですね。2022/02/19
ぐっちー
21
貸して頂いた本。初めて読んだ作家ですが、美しい文体でありながら、少しももったりしたところのない澄んだ明るさに惹かれました。『第七官界彷徨』『アップルパイの午後』『花束』が好き。『第七官界』は私の頭の中では円盤型のUFOでどっかの惑星に不時着してるような、70年代のSF少女コミック風の未来な感じに変換されてしまった(笑)。『無風帯から』では泪が目かにたまる様子の描写に唸りました。大正から昭和初期に書かれたのに、この新鮮さは響く。2016/10/25
kaoriction@感想は気まぐれに
20
なぜだか急に尾崎翠を読みたい衝動に駆られ、本棚の奥から引っ張り出して来る。ホワイトデイにもらった赤ワイン煮アップルパイを食べながら「アップルパイの午後」を読む。もちろん、濃いお茶で。しかも、懶いかどうかは別として、日曜日。兄妹のやり取りが小気味よくて、その言葉たちもたまらなくて、クスクス、ニヤニヤしてしまうわ。あぁ、これを欲していたのね。眠っていた私の奥底にある本当のわたし、みたいなものが目を醒ましたような。これからまた少しずつ読んでゆこう。私の赤ワイン煮アップルパイの午後は暮れゆく。こ、い、を、し、ろ!2021/03/16
まゆら
13
いつ読んでも新しく、読む度驚かされる尾崎翠の文章世界を堪能できる一冊。 翠がチャップリンのユーモアとペーソスに魅せられたように読者も翠の悲哀と笑いに包まれた独自の感覚世界に魅せられていると思う。年末にふわふわしました。2014/12/30
ヨー
11
ふぅーむ、結局合わず。2019/05/18