ちくま文庫
戸板康二の歳月

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  • サイズ 文庫判/ページ数 365p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480424723
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

都会的なエスプリを身上とし、演劇評論、推理小説、随筆など多ジャンルで活躍した文筆家・戸板康二。豊かな才能の傍らには、多くの文人たちとの交流があった。久保田万太郎、折口信夫、福田恆存、芥川比呂志ら昭和を代表する文人たち、また演劇、歌舞伎人たち。彼らとの交わりと、「東京人」戸板康二の感性を、彼を師と仰いだ著者が深い哀惜をもって描く、渾身の評伝。

著者等紹介

矢野誠一[ヤノセイイチ]
1935年、東京生まれ。文化学院卒。62年~68年、八代文楽、六代円生、五代小さんらの噺家をあつめた「精選落語会」を企画、成功させる。演劇・演藝評論、評伝、エッセイ等を執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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kokada_jnet

21
だいたい、戸板康二という人について。「先輩からは可愛がられ、後輩からは慕われ」で、洒脱に順調、文壇・演劇界をうまくわたった人生だったんだろうと。私はかなり、嫌いな人だったのだが。 この本で描かれる、「不器用な山の手のお坊ちゃん」として、色々と苦労もした戸板康二。私は少し、好きになりました2017/11/13

kokada_jnet

21
こんなに面白い本があったのに、読み逃していた! 小谷野敦氏の文学者評伝と同じスタイル。戸板康二の人生を素材に、ゴシップ的に各事件をストレートに描いて、昭和の演劇業界の分析本になっている。新劇と直接の縁がない著者なので、特に、「文学座分裂騒動」「大河内豪自殺事件」についての記述が遠慮がなく、面白い。2017/11/12

atk

0
戸板康二本人の評伝を読む気まんまんで取り組んだら、彼がいかに山の手のお坊ちゃんであったか、そしてそれによるほよよんぶりが文壇の沢山の事件に対しての距離のとり方に資したかをひたすら語るものになっていて驚いた。悪い言い方をすると、東京の山の手万歳文書になってしまっている。ゴシップという点では面白いけど、戸板康二にこういうお弟子さんしかいなかったのなら気の毒。もうちょっと学術よりの評価がしやすいように書くやり方はなかったのか。2009/07/26

いちはじめ

0
戸板康二と親交のあった著者による評伝。悪くはないが、洒脱な人物評に定評のあった戸板康二ならこういう風には書かなかったのではないか、という思いはする。2008/10/06

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