内容説明
数多くの作品を通して魅力あふれるヒーローを作り出し、「この国のかたち」を考察した司馬遼太郎は、日本人の歴史意識に決定的な影響を与えた。しかし同時に、「透明な厭世思想」の持ち主でもあり、それは作品に微妙な彩りを添えている。『梟の城』から『街道をゆく』までの膨大な作品群の中からいくつかの小説、随筆、紀行文を読みとき、司馬文学の光源に迫る。
目次
1(理性と気概のひと―追悼・司馬遼太郎;歴史は文学の華なり、と。―司馬文学の「場所」)
2(“鳥瞰”という方法;『項羽と劉邦』の読まれ方 ほか)
3(司馬遼太郎と私;資料を生で読むひと ほか)
アラン島紀行
著者等紹介
松本健一[マツモトケンイチ]
1946年群馬県生まれ。東京大学経済学部卒業。麗澤大学教授。大学院在学中に発表した『若き北一輝』で注目を浴びる。著書に『近代アジア精神史の試み』(中央公論新社/アジア・太平洋賞)、『開国・維新(日本の近代・第1巻)』(中央公論新社/吉田茂賞)、『評伝 北一輝(全5巻)』(岩波書店/司馬遼太郎賞)など多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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