ちくま文庫
贅沢な読書

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  • サイズ 文庫判/ページ数 244,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480422613
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0190

内容説明

本を読むこと、書物を愉しむことにも、きちんとしたやり方がある。それを考えることが書物との関係を決定的なものにし、結果として、人は甘美で幸福な時間を手に入れることができるようになるのだ。では、人生に不可欠な部分としての読書とは、どのようなものなのだろうか。『作家の値うち』や『悪の読書術』などで話題を呼んだ著者が、最高の文章だと考えるものを厳選し、その味わい方を丁寧に紹介する。

目次

1 幸福な時間―ヘミングウェイ『移動祝祭日』(「サン・ミシェル広場の良いカフェ」;「飢えは良い修業だった」 ほか)
2 近代小説の空間―夏目漱石『明暗』(夏目漱石『明暗』;正岡子規『仰臥漫録』 ほか)
3 旅行のための本選び―ゲーテ『イタリア紀行』(ゲーテ『イタリア紀行』;ダンテ『神曲』)
4 読みたくなる古典―咲き合う美の連鎖(『古事記』;『万葉集』 ほか)
5 甘美な場所で―ほろ酔い本(イーヴリン・ウォー『ブライヅヘッドふたたび』;西村康彦『龍あらわる 中華怪有篇』 ほか)

著者等紹介

福田和也[フクダカズヤ]
1960年、東京生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了。慶應義塾大学環境情報学部教授。評論家。『日本の家郷』で三島由紀夫賞、『甘美な人生』で平林たい子賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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佐島楓

19
古典を学ぶことが、まったく無縁な他者を理解しようとすることにつながる、それこそが教養なのだという記述には納得。でも納得できたのも、私が受験とは無縁になったからなのだろう。2011/08/11

Hirohito

13
著者の福田和也氏は、読書が生きていくことと不可分だと言うほどの、ものすごい読書好き。いくつかの珠玉の作品を通し、その味わい方を紹介してくれているが、こんなものを読んでしまうと重厚な小説が読みたくて読みたくてたまらなくなる。2014/06/04

bluemint

10
若い作家の軽いミステリーが多く出版されているが、文章が稚拙で読むに耐えないものも多々ある。内容が芳醇で文章も磨かれている、成熟した本を読みたい気持ちが押さえられなくなった。古典や昭和初期までの本を読みたく、参考として本書を選んだ。「金を使ったって本当の贅沢はできない。時間を使い、何よりも精神を大車輪に働かせて、はじめて贅沢な機会を享受することができる」と著者は言うが、記載されているような内外・分野を問わない豊かな読書量と周辺の哲学・知識は私には持ちようがなく、今までの貧弱な読書体験を悔やむばかりである。2018/02/01

それん君

10
読書はそのストーリーやそこから得られた想像上の経験が素晴らしいから読書するものだと思っていました。本書にあるような読みながら情景が浮かぶような文章の質感や比喩とかそんなことに着目したことが無かったのでそれを知れてまた読書欲が増しました。 ヘミングウェイは必ず読もうと思います!2016/12/15

おらひらお

6
2006年文庫版初版。切り口が斬新で、面白いが、著者が紹介した本で読んだものは0でした・・・。今からでも読むべきかな?2011/11/11

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