感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フク
2
★★★★★。圧倒的な読書体験。この一冊の物語の中に17世紀当時のスペインの歴史観、精神性、知性、その他あらゆる情報が読み取れると言っても過言ではないかもしれない。そして当然そういった要素は現代スペインへとまた息づいていることも想像に難くない。「喜劇」であり「悲劇」でもある。「ファンタジー」でありながら世の中の真実を鋭く突いた「ドキュメンタリー」でもある、重層的、複合的構造を持った小説としての変わらぬ存在感にもまた圧倒された。2016/10/26
荒野の狼
0
会田由によるドンキホーテの全訳が出版されてはじめてドンキホーテは正しい形で日本に紹介されたといえるので貴重な訳。読みやすく全編をとおしても一ヶ月ほどで通読可能。注は簡潔でドンキホーテが江戸時代のはじめに書かれたとは思えないほど読みやすい。1600年代のはじめは日本では宮本武蔵らの時代で、時代背景としても武者修行にでたドンキホーテがすでに時代遅れであったという点で、日本のそれと状況は似る。2010/07/23
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