ちくま文学の森 〈7〉 恐ろしい話

ちくま文学の森 〈7〉 恐ろしい話

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  • サイズ B6判/ページ数 476p/高さ 20X15cm
  • 商品コード 9784480101075
  • NDC分類 908

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

158
本当にこわい話ばかりです。どちらかというと外国の作品の方が残酷な感じが多いのかと思いましたが、日本の作品もここに掲載されているのはすごいのもあります。私はむかし志賀直哉の「剃刀」がすごい作品だと思っていましたがきちんと収められていました。床屋さんが怖くなります。2017/04/02

めしいらず

55
古今東西の怪奇譚、恐怖譚の名編を集めたアンソロジー。既読のディケンズやポー、アイリッシュらの各編はやはり抜群の面白さ。白眉はリラダン「断頭台の秘密」だ。怖気を震うほど緻密かつ淡々と解説される断頭刑のこと。そして新たな発見を欲する科学者の功名心。暴走する科学。成果が得られぬと途端に掌を返すのが実に"らしい"結末だろう。加えて菊池寛「三浦右衛門の最後」も人の悪意の底知れなさを描いて見事。圧倒的優位から弱い者を侮り貶め嘲る者らの厭たらしさ。反吐が出そうな読後感。結局人間が一番怖いとありきたりな感想に落ち着いた。2019/06/15

クリママ

36
24編の短編集。旧約聖書から始まり、アポリネール、ディケンズ、ポー、モーパッサン、志賀直哉、夢野久作など。撰者は、安野光雅、森毅、井上ひさし、池内紀。旧仮名づかいなどを読みやすくしてあるとはいえ、今の小説を読むようにさらさらとはいかない。印象に残ったのは、菊池寛「三浦右衛門の最後」、岡本綺堂「利根の渡」、小学生の頃、読んだディケンズの「信号手」が懐かしい。最後の2編はカニバリズムのからむ内容で、読むことができなかった。2017/06/27

メタボン

25
☆☆☆ 編者池内紀のあとがきの通り人は怖がるものである。だがこのアンソロジーはなぜ恐ろしい話なのか首を傾げる作品もあり正直不完全燃焼。良かったのは、シチューに指が入っていたという古典的なネタのアイリッシュ「爪」、死体が生きているかのように飛び出す仕掛けのポー「お前が犯人だ」、既読の志賀直哉「剃刀」夢野久作「死後の恋」、病気・トラウマの設定が秀逸なミステリーの木々高太郎「網膜脈視症」、猫を殺した報いに子供たちから散々な目に遭わされるサキ「罪のあがない」、人間を食材とする想像力と風刺が凄いスウィフトの作品。2017/02/24

kaya

5
なぜ人は「恐怖」に近寄りたがるのか。死の恐怖に恐れをなしつつも目が離せないのは、死と自分との隔絶を確かめたいからなのかもしれない。恐怖の放つ腐臭に顔をしかめつつ、自分がそれに嗅ぎなれていないことに安堵する。自分の日常に死の、恐怖の臭いは存在しないのだ、と。ほっと胸をなでおろし、ホラー映画のエンドロールを眺める。本を閉じる。お化け屋敷をあとにする。死を身近に感じなくなった現在、それはさらに顕著なんだろうな、と思う。2013/12/07

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