ちくま文学の森 〈4〉 変身ものがたり

ちくま文学の森 〈4〉 変身ものがたり

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  • サイズ B6判/ページ数 493p/高さ 20X15cm
  • 商品コード 9784480101044
  • NDC分類 908

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

104
再読ですが、この「文学の森」の中では非常に素晴らしい短編が収められていて愉しませてくれます。萩原朔太郎の「死なない蛸」などはほかのところでも書いたのですが、「ジョジョのふしぎな冒険」のある場面を思い出します。「壁抜け男」も何度読んでも楽しめます。そのほか雨月物語や「高野聖」乱歩の「人間椅子」漱石の「夢十夜」などなど再読に耐える作品ばかりでした。2023/05/27

メタボン

36
☆☆☆★ 百閒「東京日記」と漱石「夢十夜」は似たような味わいの恐ろしさ。講談調の安吾「風博士」は小気味が良い読み応え。エーメ「壁抜け男」ゴーゴリ「鼻」はシュールな面白さ。ゴーチエ「死霊の恋」は吸血鬼やエクソシストの原型。谷崎「秘密」乱歩「人間椅子」は淫靡な世界が魅力、そして最後は種明かし。坪田譲二「お化けの世界」はわけのわからぬ怖さ。川端「化粧」は最後にぞっとくる。朔太郎「死なない蛸」「猫町」はともに幻想的であるが理屈っぽさが鼻につき私にはいまひとつ。高野聖・山月記は既読。2016/11/19

ゲオルギオ・ハーン

17
東西の『変身』をテーマにした21の短編小説を集めた質・量ともに満足な一冊。変身といっても物理的なものから精神的なものまでさまざまだ。江戸川乱歩の『人間椅子』と中島敦の『山月記』は何度読んでも面白い。初めて読んだハウフの『こうのとりになったカリフ』は童話のようで読んでいてほのぼのとした。ダンセイニの『妖精族のむすめ』も童話的な話だけど幻想的な描写がとても素敵だった。コクトーの『マルセイユのまぼろし』は何度か読み返して面白さを感じ、作風が気に入ったので機会があれば短編集を読みたい。2021/11/24

はな

10
『高野聖』若い僧の苦悩が、滝をもって表現されているのが美しい。滝の流れとともに、甘い誘惑の中へ吸い込まれそうになる。親仁の話がなくても、果たして僧は誘惑に勝つことが出来たのか。『秘密』男でありながら女装に目覚め、自分を飾り立てて陶酔したり、本物の女に嫉妬をする描写が美しい。耽美な世界を表現する文章が素晴らしい。『化粧』白菊に清浄を、斎場に不浄という言葉をイメージさせられた。美しい菊も人の見えない所で朽ちていくように、女もまた人の見えない厠で化粧をするという、美しいものと醜いものの表裏一体を感じた。2015/01/15

たらちゃん

9
どれもいい。「人間椅子」を読んだ直後、NHKのドラマで「人間椅子」を見た。「秘密」も好み。どうやってこんな素敵な編集をしたのか、過程を見学できたらどんなに面白いだろう。ちくま文学の森のシリーズは好きですと司書の方も話していた。2021/01/16

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