出版社内容情報
戦後、一人の英文学者が日本国憲法をめぐる事実を調べ直し、進行する事態に警鐘を鳴らした。今こそその声に耳を傾けたい。
内容説明
素朴な感情論にのみこまれないために。憲法をめぐる著者の警鐘がいまも鳴り響く。
目次
1 わたしの憲法勉強
2 いわゆる「押しつけ」にいたるまで
3 憲法第九条が生まれるまで
4 「自主的」という看板と真実
5 改憲論の根底にあるもの
6 日本人の憲法意識
著者等紹介
中野好夫[ナカノヨシオ]
1903‐85年。英文学者、評論家、翻訳家。愛媛県松山市生まれ。東京帝国大学文学部卒。35年に東京帝国大学助教授、戦後に東京大学教授となるも、53年に辞職、雑誌「平和」の編集責任者となる。スタンフォード大学客員教授、中央大学文学部教授などを歴任。著訳書に『シェイクスピアの面白さ』(毎日出版文化賞)、『蘆花徳冨健次郎』(大佛次郎賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てつ
42
書かれている議論は古いが、憲法改正を考える際に最低限押さえておかなければならない内容だろう。2019/05/01
ひでお
2
中野好夫のさんといえば、モームの小説をこの人の翻訳で読んだことを思い出します。本書はその著者が憲法について真正面から向き合った本です。1965年の出版ですが、改憲議論の本質は今もそのまま通用するように思えます。多くの人が今一度この本を手に取って、自分の国の憲法について、よく考え、議論できたらいいと思いました。2019/11/05
比丘尼坂
0
憲法の解釈本ではないが、意見が素直に納得できる。 元々、憲法、人権思想自体輸入物であるし、仏教もキリスト教の教えも日本古来の思想ではない。現行憲法が押し付け憲法なので自主憲法制定のスローガンは説得力を持たない。2022/01/31
aochama
0
約50年前の本ですか、陳腐化どころか今にも通じる内容です。著者は、市民感覚で改憲への意見に対する素朴な疑問をぶつけ、慎重に自分の考えを整理し、騙されないよう気をつけるポイントを指摘します。2020年に改憲したいと首相が主張する昨今、一読しておきたい本です。2019/05/05