出版社内容情報
受験生のバイブル、最強のベストセラー参考書がついに! 碩学が該博な知識を背景に全力で書き下ろした、教養と愛情あふれる名著。解説 土屋博映
内容説明
『古文の読解』の著者の代表作がついに文庫で登場!初版刊行以来60年以上受験生のバイブルとして君臨してきた、最強のベストセラー参考書である。おそろしく詳しく構造的、しかも読みやすく分かりやすい、教養と愛情にあふれた、まさに名著である。
目次
第1部 語学的理解(語彙;語法と解釈)
第2部 精神的理解(古典常識;修辞のいろいろ;把握のしかた;批評と鑑賞)
第3部 歴史的理解(事項の整理;表現との連関;時代と思潮)
著者等紹介
小西甚一[コニシジンイチ]
1915‐2007年。三重県生まれ。東京文理科大学国文科卒。東京教育大学文学部教授、筑波大学文芸・言語学系教授を歴任、のち筑波大学名誉教授。文学博士。専門は比較文学。1951年『文鏡秘府論考』により日本学士院賞受賞。海外の複数の大学から客員教授として招かれる。また英語・フランス語・中国語等を習得し、外国の新しい研究法を国文学に活かす手法でも知られた。能・狂言・俳句にも造詣が深く、それらの研究書も多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
82
どうしても本屋で見かけると手に取ってみたくなってしまいます。私はこの本と教科書だけで古文の大学受験対策を行いました。参考書兼問題集としては例文が多く非常にいい本です。用語、文法、歴史的背景などすべて事足りています。学生向けにはいいのですがちょっとという方には同じ出版社と著者で「古文の読解」という本が出ているのですが、社会人にとってはこちらの方がいいのでしょう。2022/07/28
あいくん
9
☆☆☆☆昭和30年に初版が出ています。昭和40年に改訂版が出ています。昭和59年に改訂79版が出ています。息の長いロングセラーです。「これはまさに日本文化を語った本だ」という評価をどこかで目にしたことがあります。通読してみました。読んでみて確かに日本文化を語った本だと思います。ただの学習参考書ではありません。小西甚一さんが全精力をつぎ込んで書いた高校生のための古文参考書であり、日本文化の神髄を伝える本です。小西さんは自分の良心を大切にしたと語っています。古文は日本語なのかどうかという点があります。 2020/03/19
るい
6
古文の勉強を、語学的理解、精神的理解、歴史的理解に分けて、3つの系列でまとめられている。これほど古文の内容が網羅されていて、文法や文学史、解釈がすっきりと結びついている本が存在することに、感動した。特に、精神的理解や歴史的理解の系列では、今までバラバラだった自分の知識が体系的に結びついていくのを実感することができた。一読では内在化しきれないので、折に触れて読み返したい。2018/12/28
Gamemaker_K
6
これで古文を勉強した人って、偉いと思う。ってか、これで勉強できる人というのは、この本に頼らなくても古文ができる人なのではないかとか思ったりする(それはさすがにないか)。・・・私は高校時代古典は得意だった。高1の時の古典の先生が可愛い女性教師だったからだ。残念ながらその先生は私が高3の時に結婚したのだが、基礎ができてからだったので落胆したほど成績が落ちなかったのは幸いだった。でも、あの時その先生を可愛いと思っていたのは、極めて少数派だったということが後に判明した。別に俺はマニアックな方ではないと思うのだが。2015/06/05
じょうぶなことり
4
今年は古典を本格的に原文で読めるようになりたいと思い、正月から読み始めたのが、やっと読み終わった。とにかく内容が濃く、一読しただけで全部の内容が頭に入ったわけがないけど、やたら難しい演習問題もボロボロながら一応全て取り組んだ甲斐あってか、勉強を始める前よりは随分古典を読めるようになってきた。気がする。元々は半世紀以上前に受験生向けに書かれた本だが、今はよほど古典が好きで、意識が高い学生でないと難しいかも。問題の出題の仕方も現在とは大分違いそうだし。でも社会人が頭を鍛えるにはもってこいの本だった2018/02/10