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ちくま学芸文庫
私の世界文学案内―物語の隠れた小径へ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 277p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480094339
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0198

出版社内容情報

文学こそが自らの発想の原点という著者による世界文学案内。深い人間観・歴史観に裏打ちされた温かな語り口で作品の世界に分け入る。

内容説明

人はなぜ小説を読むのか。父から娘への手紙という形をとって、本書ではさまざまな小説の中に人生の“隠れた小径”を探ってゆく。「家族に対するわだかまり」「自分にひそむかたよりの感覚」「人間の金銭欲とは」などの身近な切り口から、世界の代表的な文学を取り上げる。ドストエフスキー『罪と罰』、トルストイ『戦争と平和』から、デュラス、モラヴィア、カルペンティエールまで、作品の大筋と読みどころを紹介。深い人間観・歴史観に裏打ちされた温かい語り口で、作品の豊饒な世界と、文学を読む愉しみを語る。はじめて小説の扉を開く人のための格好の入門書。

目次

1(トーマス・マン『トニオ・クレーゲル』―自分にひそむかたよりの感覚;カフカ『変身』―家族に対するわだかまり;バルザック『従兄ポンス』―人間の金銭欲のすさまじさ;スタンダール『パルムの僧院』―情熱によって行動する人間のけだかさ ほか)
2(ギュンター・グラス『猫と鼠』―戦争で消えた友への鎮魂歌;フィリップ・ロス『狂信者イーライ』―ユダヤ人自身の反撥と吸引;ソール・ベロウ『犠牲者』―被害妄想の悪夢;アラン・シリトー『屑屋の娘』―庶民のなかの“生”の瞬間 ほか)

著者等紹介

渡辺京二[ワタナベキョウジ]
1930年京都生まれ。旧制第五高等学校を経て、法政大学社会学部卒業。評論家。河合文化教育研究所特別研究員。主な著書に『北一輝』(毎日出版文化賞受賞、ちくま学芸文庫)、『逝きし世の面影』(和辻哲郎文化賞受賞、平凡社ライブラリー)、『黒船前夜』(大佛次郎賞受賞、洋泉社)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

103
渡辺さんの解説による文学案内です。娘さんのために書いたようですが、文学案内というよりもかなり程度の高い文学論となっている気がしました。作品数は20をちょっと超えるくらいですが、その選んだ作品はかなりマニアックと思われるものも含まれています。わたしが読んだ本は、「トニオ・クレーゲル」「変身」「パルムの僧院」「戦争と平和」「罪と罰」「自負と偏見」くらいでした。後半はほとんど未読の作品ばかりで中南米の文学もかなりあります。少し読んでみようという作品もありました。2023/12/16

i-miya

46
2014.03.01(02/28)(つづき)渡辺京二著。 (P080) (D.H.ロレンス『息子と恋人』男女の永遠の戦い、つづき)。 ◎生の門出での経験。 ロレンス(1885-1930)、『チャタレー夫人の恋人』で有名だが・・・。 人間を、論理と制度の拘束から、肉体と自然のほうに取り戻そうとした作家。 ジョイスと並ぶ、だが、○○、○○は、Rよ、小説はを読むのは、文学史を勉強するためではない、それが、私たちが生きるために必要だから、読むのだ。  2014/03/01

i-miya

38
2012.12.13(つづき)渡辺京二著。 2012.11.19 人間と自然の関係は、主体と客体というような関係ではない。 一つの場に統一された人間と自然。 ユージーン、「ぼくは、ぼくが触れたもの、ぼくに触れたもの、一切の一部なのだ」 「心象の集積は、そのまま「ぼく」の生々流転なのだ」 地上にありふれたものの一切が異様ななじみ深さの思い出。    2012/12/13

i-miya

35
2012.10.10(つづき)渡辺京二著。 2012.10.09 (スタンダール、『パルムの僧院』-情熱によって行動する人間の気高さ。) ◎ナポレオン時代の後で。 不思議な魅力を持つ小説。 三四度、読んだが、どこが面白いのか、説明に窮するそういう小説。 バルザックとほぼ同時代、1820-1840に活躍、バルザックより16歳上だが、46歳のスタート。 同年代作家と見られている。 スタンダールは、ナポレオン時代を知っている。 2012/10/10

i-miya

33
2012.12.19(つづき)渡辺京二著。 2012.11.29(2) 南北戦争。 南部奴隷社会の風土が齎した崩壊。 聡明だが、無気力な父と善良だが自己本位の母。 クウェンティンとキャディは仲のいい、双子のよう。 キャディは15歳から男あさり。 クウェンティ・ハーバード大学、1910.04、自殺。 キャディは子を生んだあと、離縁され家からの義絶された。 2012/12/19

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