ちくま学芸文庫<br> デカルトの誤り―情動、理性、人間の脳

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ちくま学芸文庫
デカルトの誤り―情動、理性、人間の脳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 404,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480093028
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0110

内容説明

1848年、米北東部の鉄道施設現場で事故が起き、鉄棒が現場監督P・ゲージの前頭部を貫通した。それを境にゲージの性格と行動は一変した。著者自身が携わってきた症例やゲージのような歴史的症例をもとに、著者は、日常生活の折々の場面で求められる合理的な意思決定には、そのときの身体状態と不可分に結びついている情動と感情の作用が不可欠であることを明らかにした(「ソマティック・マーカー仮説」)。神経科学の第一人者が、いまもさまざまな形で社会に浸透しているデカルト的心身二元論を強く批判しつつ、有機体としての心‐脳‐身体の関係を解くベストセラー。新訳文庫版。

目次

ヴァーモントでの不幸な出来事
明らかになったゲージの脳
現代のフィアネス・ゲージ
冷めた心に
説明を組み立てる
生体調節と生存
情動と感情
ソマティック・マーカー仮説
ソマティック・マーカー仮説を検証する
身体志向の脳
理性のための情感
補遺

著者等紹介

ダマシオ,アントニオ・R.[ダマシオ,アントニオR.][Damasio,Antonio R.]
1944年、ポルトガルのリスボン生まれ。アメリカの神経学者・心理学者。1976~2004年、アイオア大学教授を経て、2005年には南カリフォルニア大学のBrain and Creativity Instituteを設立した。Prince of Asturias Awardsなど多くの賞を授与され、世界中でもっとも読まれ、活躍している神経学者

田中三彦[タナカミツヒコ]
1943年、栃木県生まれ。科学評論家、翻訳家。東京工業大学工学部生産機械工学科卒業後、企業のエンジニアを経てサイエンス・ライターになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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やいっち

53
題名のデカルトの誤りは、デカルトの心身問題への根底的な疑問を意味する。心…精神と身体は別個の実体と腑分けするデカルト。西欧の科学は、ある意味この腑分けから始まるともいえる。心の問題は後回しにする。科学の対象に馴染みやすいものに研究の力を注ぐ。脳科学や心理学ですら。理性は人間特有のものであり、一方、感情や情念は下位のものと眼中に入れない。  感情には身体の状態が左右しているのではという直感はあっても、科学研究の現場からはそういう雑音は度外視してきた。2019/11/02

Gotoran

53
神経科学の第1人者が、様々な形態で社会に浸透しているデカルト的身心二元論を強く批判しながら、歴史上の事例、実験等に関する多くの議論を経て、日常生活のあらゆる場面で必要な合理的な意思決定には、そのときの身体と不可分に結びついている情動と感情の作用が不可欠であるというソマティック・マーカー仮説を提唱し、有機体としての心ー脳ー身体について考察を加えていく。主客一体の脳生理学的な考察で非常に興味深かった。数年前に読みたかったが、近くの市立図書館置いていず、最近通い出した府立図書館で目にしたので読んでみた次第。2017/09/20

禿童子

32
臨床研究から大胆な「ソマティック・マーカー仮説」を打ち出した記念碑的著作。頭を鉄の棒が貫通したフィネアス・ゲージ、脳腫瘍の手術後に判断能力が失われたエリオットなど、前頭前野腹内側部を損傷した患者の観察から、感情が意思決定に果たす役割を理論化する。デカルトら近代合理主義が感情を排除した理性を持ち上げたのは間違いだと指摘した点は哲学にも大きな影響を与えている。アイオワ・ギャンブル実験でこの仮説が検証されたと主張するが、異論や批判もあり、確実ではないようだ。ダマシオはまだ研究の第一線に立っているので注目したい。2019/09/24

加納恭史

24
著者はアメリカの神経学者・心理学者でアイオア大学の教授を経ている。1944年ポルトガルのリスボン生まれ。他に「感じる脳」の著作もある。「ファクトフルネス」やジョナサン・ハイトの著作「社会はなぜ左と右にわかれるのか」でも言及されている。著者アントニオ・ダマシオは鉄道施設現場で事故にあった現場監督P・ゲージは鉄棒が前頭部を貫通したのを綿密に調査する。事故でP・ゲージは人格に異常をきたした。前頭部と人格は深く関係しているようだ。その研究は見事なもので、後にデカルトを非難し、心―脳―身体を有機体としてまとめる。2022/02/08

またの名

19
誤りだらけでは?という指摘は自重。好きな絵や音楽に、脳が損傷し以前好きだった事実や喜ぶ感情の意味を理解できても「感じること」ができなくなった患者のミステリー。明確に意識される情動的感情に対し、強い情動を帯びない背景的感情が常に意識されず作動していると仮説を立て、身体による密かな好悪の選別作業をソマティック・マーカーと著者は命名。この仮説によれば、身体が予め自動選抜を行ってバイアスを掛け優先順位を付けた後でより高度な理性の推論や熟考が可能なので、感情機能を失った人々は理性が機能しても何一つ決断できなかった。2018/10/21

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