ちくま学芸文庫<br> 恋愛論

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ちくま学芸文庫
恋愛論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480092922
  • NDC分類 141.6
  • Cコード C0110

内容説明

恋愛―だれもが人生で一度は心を奪われ、突如として世界を輝かせたり、理性的な人をも狂わせたりする、このあらがいがたく、不思議な力はいったいなんなのか?他方で、恋の激情が過ぎ去ったあとに、あたかも夢から醒めるかのようにそのリアリティが失われるのはなぜなのか?こうした生の二重性をもっとも露わにする「恋愛」がもつ意味とは?プラトン、ゲーテ、ドストエフスキーをはじめとする哲学者たち、文人たちの格闘の軌跡を辿り、永遠不滅のテーマ「恋愛」を哲学する。エロティシズム、「美」や「死」の問題にまで迫り、人間の「実存」に新たな光をあたえた名著。

目次

恋愛の謎
結晶作用
「美」について
恋人
プラトニズムとエロティシズム
絶対感情
エロティックな欲望
恋愛の背理

著者等紹介

竹田青嗣[タケダセイジ]
1947年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、早稲田大学国際教養学部教授。自分を深く知るために、他者とほんとうに関わるために哲学するユニークな思想家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ki_se_ki

6
恋愛は所詮文化であり制度であり、すなわち幻想なのであるという論が主流になりつつある現在。しかし、そのように恋愛を相対化してみたところで、では恋愛に陥った時の「あの感情」、相手の交換不可能性を核とするあの絶対的な感情が何なのかを説明することはできない。恋愛が幻想であるというのは「社会的文化的位相」の事情であり、恋愛状態における絶対性は「個人的実存的位相」の事情である、つまり問題のレベルが違うのだ。ーーわれわれの「実存」にとっての恋愛の意味を追求する一冊。2014/06/09

lily

5
世界の文学、哲学からの弁証法を駆使した恋愛論の完成品。内面の美、生の躍動感を味わい尽くす陶酔こそが恋愛の醍醐味。ドストエフスキーは再読しなきゃ。2019/05/01

Arowana

4
これもたしかな一つの思想ではないか。真摯な哲学的考察であり、相反するものはともに引き裂かれることなしに共存でき得るという可能性を示唆し、冷静に綱渡りを試みる平衡感覚も兼ね備えている著者の意外と知られていない名著。2012/05/25

水色。

3
プラトンやバタイユといった思想家、スタンダール・サドやトルストイといった小説家の叙述を下敷きにし人間の人生にとっての一大事である恋愛、ひいては人間の実存それ自体に迫った作品。「美」ないしそれに相当するもの理想の表象である相手を、心も肉体も自分のものにしたいという思いこそが恋愛ではないだろうか。人間と同様本質的に自己中心的なものであり、それゆえに相手へと開けたものなのであろう。2011/04/04

竹鶴六

2
漸く読了。内容としては面白かったです。意外と見落としがちながらも、我々のすぐ側にあるものを分析、理解しようとする姿勢はとても良い。2019/05/18

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