出版社内容情報
内容は後日登録
内容説明
ベクトル解析は、電磁気学・流体力学などを学ぶ学生に必須の課程で、しばしば工学・物理系の応用数学とみなされがちである。しかし見方をかえて、基礎的な「1次元の線形代数学」から多次元への発展、「1変数の微積分」から多変数関数の微積分への発展、の段階の解析学と考えれば、大学教養課程の結節点ともみなしうる。それはより抽象度の高い、多様体へのゆるやかな第一歩である。本書では、そのような展開性のある位置づけのもとに、森一刀斎が「ベクトル解析のココロ」を開陳する。最終章に新たに、教育的側面を明らかにした「なぜベクトル解析なのか」を加えた。
目次
第0章 ベクトル解析とは
第1章 多変数の微分(正比例関数と微分;多変数の(同次)1次関数
多変数関数の微分
多変数の微分計算
陰関数
勾配ベクトル場
変数変換
2階微分
微分作用素の計算
関数関係
多様体
多様体上の関数)
第2章 多変数の積分(積分の概念;測度;微分と積分(1変数の場合)
多変数の積分
体積要素
線積分
面積分
回転
発散
微分と積分(多変数の場合))
第3章 なぜベクトル解析なのか―多次元世界の微積分
演習問題
練習問題解答
著者等紹介
森毅[モリツヨシ]
1928年、東京生まれ。数学者。東京大学理学部数学科を卒業。京都大学教養部で教鞭を執り、また民間の数学教育運動にも参画した。京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がりがり君
6
途中で挫折することしばし、正直いつ買ったかも覚えてない、でもそれだけに読み応えはむちゃくちゃある、物理学界隈で取りざたされるような安易な扱いじゃなく数学的にきちんと定式化しましょうねっていうのが本書の試み、あとは森節全開である2016/07/04
さくらもち
2
文庫本なので手軽に読めます(読みやすいとは言ってないです)。そらまあ数学の話題なので分かりやすいとは限らないです。大学でもベクトル解析の授業を受けたんですが、教える人によって教え方も違うんだなあって思いました。授業では分からなかったことが本書で分かったり、授業で理解していたはずのことが本書で混乱したりしました。2014/08/17
disktnk
2
高校数学の微分積分をひたすら多変数へと広げていき、ストークスの定理あたりまで頑張る本。図と数式は充実しているけど、独学で式展開するには、この本だけでは難しいと思う。集合や位相の定義をすっ飛ばしており、著者自ら“ゴマカシ”とか“メンドウ”というコメントでお茶を濁している。 この手の本では珍しく練習問題の略解がついていて、親切だと思った。前書きに、数学教育におけるベクトル解析分野の扱いの雑さを嘆いているけど、残念ながら、今でも、電磁気学の導入でやる人がほとんど。2014/01/09
book-lover
0
図はおおいけど。本文の数式との対応がわかりづらい。2009/12/17
あゆたろう
0
なんとなく古臭い表記が気になりました。積分領域をギザギザ図形で近似してよいことが知れてよかった。2018/04/23