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ちくま学芸文庫
数の現象学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480091963
  • NDC分類 410.4
  • Cコード C0141

内容説明

いかめしい漢字がならぶ哲学用語も、もとをたどれば日常語に源を発し、西欧の人々にはわかりにくくはないという。自然数・加法減法・分数・倍・積・比率なども、そっ気なく抽象的すぎて見えるかもしれないが、じつは文化の色合いをそこここに残している。現代数学さえも日常の深みに浮いている。その深みを覗き見ると何が見えてくるのか?歴史・文化から教育にも幅広く関心のある数学者ならではの、思いがけない兎穴から入り込んだ興味つきない数の迷宮!タテ×ヨコはなぜ面積?など、子どもに問いつめられる親たちへのヒントも満載。高次の数学の読み解きのヒントにも。

目次

影を背負ってゆらぐ自然数
足し算・引き算に潜む情念
幻想の小数で世界を作る
直線上に変化を刻み込む
次元を異にする3種の乗法
分数は古代文化の集大成
数量化の道を追体験しよう
正比例は自然法則のかなめ
「倍」に見る自然と人間の不和
不安定にゆれる“積”の概念
深層の3角形に根ざす比率
日常の深みに浮く現代数学
数学史コマンテール
数学教育コマンテール

著者等紹介

森毅[モリツヨシ]
1928年、東京生まれ。数学者。東京大学理学部数学科を卒業。京都大学教養部で教鞭を執り、また民間の数学教育運動にも参画した。京都大学名誉教授。学生時代には三味線、長唄、歌舞伎に凝り、着流し姿で東大に通ったこともあるとか。講義では意味・こころを伝えることに力点を置き、その独特の芸風が学生の人気をさらった。自由な発想による論評の鋭さから、“一刀斎”と呼ばれている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミエル

13
数学が苦手すぎた私には、数字や記号をほとんど使わずに、「数学」を語っている本作、非常に哲学的で読み進めやすかった。もし、その昔、こういった文学的表現で事項を教えてもらえていれば、数学愛に目覚めたかもしれないのに…と。2015/01/19

猫丸

12
ヒトの数覚獲得史として示唆に富むエッセイを再読。初等教育における数概念の提示法にはいろいろな方針がありうる。いちばんの躓きの石は除算であり、個人的には小学校から除法を追放すべきとまで思っている。とことんまで割り切るには分数の概念で足りるし、余りを出す除法は初等数論の導入時で構わない。「速度×時間=距離」が最も自然であり、「距離÷時間=速度」は「単位量」の概念で代替可能、「距離÷速度=時間」に至っては概念として完全に不要であり、代数的操作の一例としての意味しか持たないと思うがどうか。2022/10/21

Mits

2
演算の裏にはいろんなイメージがあるもんだと改めて気づいた。例えば、「引く」という演算には、「除去」という側面と「差の計測」とがあるといわれると、なるほどと。子供に算数を教えようという人には、役に立つかもしれない。2009/03/14

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