内容説明
日本の水墨画は中国から渡来後、いつ独自の画風を備えたか。我々は画のどこに日本的なものを見出すか。そもそも日本画とは何か。著者の叔父は日本画家、横山操と親交があった。その縁を契機に著者は中世から現代までの日本画の道程をたどる。日本庭園にみる、水を用いずに水の流れを想像させる枯山水の手法を「負の山水」と名づけ、その手法が展開される水墨山水画に日本文化独自の「方法」を見出す。本書では雪舟『四季山水図巻』や、等伯『松林図』などの有名な作品を多数取り上げ、それら画人について解説を付す。画期的な日本文化論にして、精緻な絵画論考。
目次
日本画の将来―独断する水墨画
可翁から雪舟―画僧の時代
真形山水図―雪舟自立
組織絵画―狩野派の冒険
天下の画工―屏風と画体
天文法華の騒乱―禅林から法華へ
桃山世界史―意匠という様式
雪舟・永徳・等伯―三人の老梅
ロマンティシズム―対立と相互作用
ディマケーション―余白の発見
等伯画説―松林図の背景
トポスの意味―水暈が墨章する
メトリックの謎―気の振舞
山水タオイズム―逸民として
全景と文景―北の三遠・南の辺角
写山水訣―雲遊する画人
場面の山水―中国風から日本流へ
而今の山水―山水一如
和様の発想―無常と山水
明治の問題―日本画の誕生
遊弋する山水―山水的に日本
著者等紹介
松岡正剛[マツオカセイゴウ]
1944年、京都生まれ。編集工学研究所所長。東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授を経て、現在イシス編集学校校長。インターネット上にブックナビゲーション「千夜千冊」を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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i-miya
白義
ゆうきなかもと
miharasi_mamiya
yoshi41101