ちくま学芸文庫
増補 皇居前広場 (増補)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480091154
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0131

内容説明

東京の中心にある「空虚な空間」皇居前広場。「日本人」なら誰でも知っているこの広大な広場は、しかしもう半世紀以上もほとんど使われていない。かつての、日本で最大の政治空間から、忘却された空間へというその変容は、なぜ起こったのか。ここを定点観測点として見えてくる「明治」「大正」「昭和」、そして戦後占領期や戦後独立期の思想状況とは。当時の新聞・雑誌、日記や回想録、小説、映像、書簡などを駆使して、政治空間としての「皇居前広場」から近現代の思想史を追い、近代天皇制における「視覚的支配」の実態に迫る意欲作。文庫化に当たり天皇制と音楽をめぐる補論を増補。

目次

第1章 皇居前広場とは何か
第2章 「無用の長物」―第1期
第3章 天皇制の儀礼空間として―第2期
第4章 占領軍・左翼勢力・天皇―第3期
第5章 空白と復興と―第4期・第5期
第6章 再論・皇居前広場とは何か
補論 田植え歌からYOSHIKIまで―天皇制と音楽をめぐって

著者等紹介

原武史[ハラタケシ]
1962年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社、東京社会部記者として昭和天皇の最晩年を取材。東京大学大学院博士課程中退。現在、明治学院大学国際学部教授。専攻は日本政治思想史。著書に『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社、サントリー学芸賞受賞)、『大正天皇』(朝日新聞社、毎日出版文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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bittersweet symphony

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本文はおおむね事実の羅列が続いていて学術的な面白さはありますが一般読者の興味を引く内容にはなっていない印象、あとがきで言及している神宮の遷宮古殿地との類似性については興味深いテーマですが幾分文学的なものになってしまうのでしょう。2016/12/11

いちはじめ

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皇居を空虚な中心と呼んだのはロラン・バルトだったか。本書は、その皇居前広場がいかに使用されたか、あるいは使用されなかったかの歴史を丹念にたどった好著2008/04/11

OKB

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著者らしい、構想力の質の高さがよく出ているように思う。御厨貴『権力の館を歩く』もそうだが、空間政治学の本は盲点をつかれたり、既存の知識がつながったりする感覚があって、とても面白く読める。2020/09/22

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