内容説明
東京の中心にある「空虚な空間」皇居前広場。「日本人」なら誰でも知っているこの広大な広場は、しかしもう半世紀以上もほとんど使われていない。かつての、日本で最大の政治空間から、忘却された空間へというその変容は、なぜ起こったのか。ここを定点観測点として見えてくる「明治」「大正」「昭和」、そして戦後占領期や戦後独立期の思想状況とは。当時の新聞・雑誌、日記や回想録、小説、映像、書簡などを駆使して、政治空間としての「皇居前広場」から近現代の思想史を追い、近代天皇制における「視覚的支配」の実態に迫る意欲作。文庫化に当たり天皇制と音楽をめぐる補論を増補。
目次
第1章 皇居前広場とは何か
第2章 「無用の長物」―第1期
第3章 天皇制の儀礼空間として―第2期
第4章 占領軍・左翼勢力・天皇―第3期
第5章 空白と復興と―第4期・第5期
第6章 再論・皇居前広場とは何か
補論 田植え歌からYOSHIKIまで―天皇制と音楽をめぐって
著者等紹介
原武史[ハラタケシ]
1962年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社、東京社会部記者として昭和天皇の最晩年を取材。東京大学大学院博士課程中退。現在、明治学院大学国際学部教授。専攻は日本政治思想史。著書に『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社、サントリー学芸賞受賞)、『大正天皇』(朝日新聞社、毎日出版文化賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bittersweet symphony
いちはじめ
OKB