内容説明
元禄の末、江戸城内の刃傷!浅野内匠頭は切腹、お家は断絶。大石内蔵助以下、浪士の討入りは称揚され、芝居になり、やがて国民伝説にまでなった。しかし実際の彼らはけっして一枚岩ではなかった。内部対立がある。相互不信がある。脱落者の相次ぐ中、さらなる逡巡、古武士の意地、引くに引けぬ心情…。47人はどのような日々を経て討ち入りに至ったのか。当日、吉良邸で繰り広げられた壮絶な戦闘とは。幕府が動揺するなかで、死を前にした浪士が遺した言葉とは。厖大な史料の叢に分け入って、事件の真相と、生きて血の通った元禄武士の人間ドラマを掘り起こした、傑作歴史書。
目次
元禄十四年三月十四日(赤穂事件と「忠臣蔵」;その前夜;刃傷松の廊下;内匠頭切腹)
江戸と赤穂(元禄時代の江戸;殿中刃傷事件の前史;元禄経済小史;赤穂と吉良;米沢と広島)
城明渡し―一家離散―潜伏(藩札始末一件;城中百家争鳴;赤穂無血開城;江戸と山科;山科会議;円山会議;江戸潜入)
元禄十五年十二月十四日(吉良邸討入り;泉岳寺引揚げ;米沢上杉家江戸藩邸;四大名家へのお預け)
元禄十六年二月四日まで(諸藩邸での赤穂浪士;討入りのデテール;幕府上層部の苦慮;四十六士切腹;吉良左兵衛処分;事件の波紋とその後)
著者等紹介
野口武彦[ノグチタケヒコ]
1937年生まれ。元神戸大学教授。近世文学・近世思想史を専攻し、現在は文芸評論家。文学と歴史の境界領域を探る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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