内容説明
グローバリゼーションがもたらしつつあると考えられる新たな世界秩序のありようとして、“帝国”の出現を論じたネグリ。それは中心もなく、外部もないネットワーク上の支配装置だった。新たなる政治形態を予測するネグリが、スピノザ、フーコー、デリダ、アガンベンらの政治思想を読み込み、ポスト近代における政治哲学を語る。近代的な「生政治」はマルチチュードの世界においてどのように実現されるのか、「国民国家」は従来の帝国主義とどのように異なるのか。政治哲学者にして革命運動家でもあるネグリの思想の最も熱い部分を明快かつ簡潔に伝える講演集。本邦初訳。
目次
第3部 “帝国”的ポスト近代の政治哲学(ポスト近代と自由;内在性の共産主義;生権力と主体性;マルチチュードと生権力;“帝国”と戦争;政治用語集を改革しよう!;“ジェネラル・インテレクト”の生政治;“年老いたヨーロッパ”の哲学;俳優と観客―非物質的労働、公共サーヴィス、知的協働、共同的なものの構築;実質的時間と搾取の時間;新しいフーコー;ポスト近代か、同時代性か?)
著者等紹介
ネグリ,アントニオ[ネグリ,アントニオ][Negri,Antonio]
1933年、イタリアのパドヴァ生まれの政治哲学者にして革命運動家。マルクスやスピノザの研究で知られ、パドヴァ大学、パリ第八大学、国際哲学院などで教鞭をとる。79年、モロ首相誘拐殺人事件に関与した疑いで投獄される。83年、フランスに亡命。97年、帰国後刑に服す。03年、完全自由の身になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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