内容説明
数学の発展は、はたして自律的なものだろうか?20世紀後半の著名な科学史家トーマス・S・クーンの薫陶をうけた数学史家が、数学の内容を広く文化史―社会史の中に読み解いた挑戦的な著作。古代オリエント数学とギリシャ数学の連続性・非連続性、数学者の道具箱としての幾何学的解析、中世西欧数学に近代的解釈を読み込むことへの疑念、近世西欧の代数的思考法の思想史的背景、振子時計設計の際の数学的理論家と職人との確執、コンピュータ計算思考の誕生にまつわる複合的史話、をスリリングに語る。数学史研究の現代的最前線を日本の読者に伝えようとする待望のオリジナル編集。増補新版。
目次
第1章 バビロニアの代数―形式対内容
第2章 ギリシャの幾何学的解析のもうひとつの見方
第3章 中世ヨーロッパの数学
第4章 17世紀における代数的思考法の始原
第5章 クリスティアーン・ホイヘンス―時間と海上経度の測定
第6章 計算・思考・コンピューター計算的思考―コンピューター計算科学の17世紀的パースペクティヴ
著者等紹介
マホーニィ,マイケル・S.[マホーニィ,マイケルS.][Mahoney,Michael S.]
1939年、ニューヨーク市生まれ。ハーヴァード大学卒業後、ミュンヘンでK・フォーゲルに、プリンストンでT・クーンに学ぶ。プリンストン大学教授。コンピューター科学史の分野で現代の国際学界をリードする数学史家
佐々木力[ササキチカラ]
1947年、宮城県生まれ。東北大学理学部数学科卒業。プリンストン大学Ph.D.。東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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