ちくま学芸文庫
21世紀のマルクス主義

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090119
  • NDC分類 309.3
  • Cコード C0110

内容説明

21世紀初頭にあってマルクス主義思潮は未會有の危機の最中にある。しかし、その深刻な苦難こそが起死回生の絶好の機会であると著者は説く。マルクス主義をたんにその思想の創設者の理論としてだけとらえず、その理論の下での運動の歴史をも真摯に総括し、根元的民主主義、環境社会主義のプログラムによって蘇生を図るべきであると熱烈に語る。とくに中国共産党の創設者にしてトロツキズム運動の指導者であった陳独秀の思想のダイナミックな歩みに焦点をあて、東アジア近代政治思想の転回をも訴える。現代資本主義の閉塞から社会批判を再活性化させ、マルクス主義の再生を待望する者の必読の書。

目次

序論 二〇〇六年にトロツキイを繰り返す
第1章 社会主義は闇に面するか光に面するか
第2章 20世紀「社会主義」の試練
第3章 近代資本主義の現代的位相
第4章 21世紀社会主義に要請されている前提事項
第5章 反帝国主義=社会主義の東アジアをめざして
付論1 ソヴェト史学の巨星・溪内謙教授を追悼する
付論2 陳独秀旧居歴訪

著者等紹介

佐々木力[ササキチカラ]
1947年、宮城県生まれ。東北大学理学部数学科卒業。同大学大学院を経て、プリンストン大学Ph.D.(歴史学)。東京大学大学院総合文化研究科教授。主要著書に「Descartes’s Mathematical Thought」(Kluwer Academic Publishers)(1993年サントリー学芸賞受賞)など。日本陳独秀研究会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うえ

9
「レーニンやスターリンを"神"と崇めたロシア人の一部は、シニシズムを通り越して、ニヒリズムの試行的雰囲気にどっぷりと浸かっている。エリツィンやプーチンらの高級官僚も、「社会主義」の大義名分のもとに労働力階級から民主主義的権利を簒奪して恥じなかった、かつてのスターリン主義官僚であったことを夢にも忘却してはならない。スターリン主義と現在の私有化推進イデオロギーの距離は、レーニン時代の柔軟な政策とスターリン主義政治の距離よりもはるかに近い。」2022/05/05

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