ちくま学芸文庫
角の三等分

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  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090034
  • NDC分類 414.1
  • Cコード C0141

内容説明

コンパスと定規だけを使って、任意に与えられた角を三等分せよ。古代ギリシア以来有名なこの作図問題に、多くのアマチュア数学者が魅了され、あたら人生を棒に振った。なんと、数学的にきちんと解決されたのは、ギリシアから二千数百年も後のことで、しかも答えは「不可能」だった。その「不可能」を証明するためには、幾何学にとどまらない、一歩高い次元の数学が必要だったのだ。その周辺を懇切に解きほぐした本文と、その解説(一松信)は、あのガロア理論への格好の助走となっている。巻末に、「不可能」を納得しない面々を描いた「「角の三等分家」と付き合ってみて」(亀井哲治郎)を収録。

目次

第1部 角の三等分(初等幾何学における三つの難問題;任意の角の三等分は不可能であるということ;角の三等分問題に現われる三次方程式;定規と両脚器とによる計算;三次方程式の根の作図可能、不可能 ほか)
第2部 解説(角の三等分の意義;体の概念;体の拡大;作図可能な数;三次方程式の解法 ほか)
エッセイ 「角の三等分家」と付き合ってみて

著者等紹介

矢野健太郎[ヤノケンタロウ]
1912‐1993。東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業。東京工業大学名誉教授。プリンストン高等数学研究所留学中に、アインシュタインの薫陶を受ける。専攻は微分幾何学

一松信[ヒトツマツシン]
1926年、東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業。京都大学数理解析研究所教授を経て同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

せろり

9
ええ本ですね。高校生にお薦め。 厳密とまではいかないけど、三等分が不可能なことを、高校数学の範囲内でかなりきっちり書いてます。この本で数学好きになれるかも。高校生は読むように。2016/08/01

霹靂火 雷公

1
アラビアの数学者アル=ビールーニー(973-1050)の正弦表(1030頃)について調べていると、どうしても3/4°以上細かくできず「角の三等分について知りたい!」と思っていたら図書館の帰りに見つけたので取り急ぎ第Ⅰ部と第Ⅱ部8.角の三等分の近似作図法を飛ばし読み。すると「不可能(定規とコンパスだけでは作図不能)」と判り、一安心。(sin20°やsin0.5°を有効数字7~8桁で提示した彼の正弦表には近似計算だと到底太刀打ちできない) 図も多く、平易な表現で情報量も多いので、座右の書にしたい一冊です。2021/11/26

数学徒

1
角の三等分は不可能というお話。60度や90度30度などの具体例があり、後半は一松先生の解説。三等分に近いやり方など書かれていた。2014/01/06

いきもの

0
任意に与えられた角の三等分が不可能であるという証明に関する本。不可能といっても定規とコンパスを有限回用いた作図法での話。90°など三等分可能な角も存在する。後半の解説が似非理系の僕には難しく読み飛ばした。2010/01/05

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