内容説明
コンパスと定規だけを使って、任意に与えられた角を三等分せよ。古代ギリシア以来有名なこの作図問題に、多くのアマチュア数学者が魅了され、あたら人生を棒に振った。なんと、数学的にきちんと解決されたのは、ギリシアから二千数百年も後のことで、しかも答えは「不可能」だった。その「不可能」を証明するためには、幾何学にとどまらない、一歩高い次元の数学が必要だったのだ。その周辺を懇切に解きほぐした本文と、その解説(一松信)は、あのガロア理論への格好の助走となっている。巻末に、「不可能」を納得しない面々を描いた「「角の三等分家」と付き合ってみて」(亀井哲治郎)を収録。
目次
第1部 角の三等分(初等幾何学における三つの難問題;任意の角の三等分は不可能であるということ;角の三等分問題に現われる三次方程式;定規と両脚器とによる計算;三次方程式の根の作図可能、不可能 ほか)
第2部 解説(角の三等分の意義;体の概念;体の拡大;作図可能な数;三次方程式の解法 ほか)
エッセイ 「角の三等分家」と付き合ってみて
著者等紹介
矢野健太郎[ヤノケンタロウ]
1912‐1993。東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業。東京工業大学名誉教授。プリンストン高等数学研究所留学中に、アインシュタインの薫陶を受ける。専攻は微分幾何学
一松信[ヒトツマツシン]
1926年、東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業。京都大学数理解析研究所教授を経て同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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せろり
霹靂火 雷公
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