ちくま学芸文庫
自己創出する生命―普遍と個の物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090010
  • NDC分類 460
  • Cコード C0145

内容説明

今ここで生きている命とは何か―それはDNAをいくら分析しても分らないのではないか。生物学がDNAという普遍的概念=物質にたどり着いたとき、あらためて浮上してきた本質的な問い。その問いの答へ至る道として、著者はゲノムを「発見」した。ゲノムという全体を見ることで、普遍性と多様性を同時に合わせ持つ生命の本質に迫りたい。生物学という科学から、歴史的ダイナミズムをも視野に入れた「生命誌」研究へ踏み出した原点となる書。93年毎日出版文化賞受賞。その後のゲノム研究の成果を踏まえた補遺を加えて再登場。

目次

序章 発端の知―ゲノムから何が見えるか
第1章 記号・物質・全体―DNAとは何であったか
第2章 生命という自己創出系―発生は時間と空間を実現する
第3章 生命という「歴史的存在」―唯一無二の「個」を生み出す
第4章 生命というスーパーコンセプト―来るべき知の神話素
補遺 “生命”から“生きている”と“生きる”へ―ヒトゲノム解析を経て見えてきたもの

著者等紹介

中村桂子[ナカムラケイコ]
1936年生まれ。東京大学理学部化学科卒業、同大学院生物化学博士課程修了。国立予防衛生研究所、三菱化成生命研究所、早稲田大学教授、大阪大学連携大学院教授を経て、現在JT生命誌研究館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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123456789wanko

2
1993年初出。その後10年の変化を補遺としての文庫化。DNAを単なる物質として見るのではなく歴史的存在とみる、生命誌という考え方は非常に日本的であり、個人的にはしっくりくる。2011/11/18

hihuhihu

1
正直に言うと酷く退屈な読書体験となった。 「金融社会で、科学はビジネス面から功利的な科学技術ばかり求められている。もっと生きること、日常に着目していくべきではないか。」という著者の危惧・提議が色んな形で示される。 「最終的に言いたいこと一つだけじゃん」というのはありがちだし必ずしも悪いとは言い切れないが、本書は妙に具体的根拠に欠けていたり、古典文学や歴史を例に出したりと、専門家からわざわざ聞きたいと思えるような内容ではない。 今後の科学に望むことと言っても20年前の本だし、新しい知見も得られなかった。2020/09/29

なぎ

0
某研究会のテキストに指定されていたので読了。(が、結局、会でこの本に対する言及はなかった(^^;;)) スーパーコンセプトとしての「生命」。客観・論理・分析的な「科学」に対して、主観・直感・多様・全体的・歴史的な「誌」。3.11以後の現在、「生命誌」という考え方は面白い。(が、ちょっとあやしげでもある。)2012/09/07

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