内容説明
“私たちの心のすべては、私たちの脳のニューロンの発火に伴って起こる「脳内現象」にすぎない”。人間を、世界のほかのあらゆるものと区別するのは、「心」の存在だ。そして、われわれの心の中のすべての表象は、クオリアというそれ以上分割できない単位からできている。風にそよぐ木々の動きや葉の色、鼻孔をふるわす芳香―さまざまなクオリアたちを表象する“心”が、脳内にいかにして現象するか。さらにクオリアと「私」の心を結ぶ「志向性」の新たな展開とは?脳科学の現在から「私の心」の見取り図へ。模索する独創的思考の息づかいが感じられる格好の入門篇。
目次
第1章 心は脳内現象である
第2章 脳の中の相対性理論
第3章 心が脳に宿るとき
第4章 主観性としての「私」
第5章 心はどこにあるか?
第6章 「私」の見取り図
第7章 脳と環境の相互作用
第8章 「私」が私であるために
著者等紹介
茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年東京都生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。東京工業大学大学院客員助教授。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職。専攻は脳科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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