ちくま学芸文庫
教育と選抜の社会史

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  • サイズ 文庫判/ページ数 329,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480089663
  • NDC分類 371.3
  • Cコード C0137

内容説明

「学歴社会」として名高い日本の教育は、近代日本の産業化の過程でどのような政策のもとに築き上げられてきたのだろうか。新しい産業の担い手を創出するべく、階級制度を超えて発展を遂げた日本の学校教育は、教育費さえあれば誰にも門戸が開かれていた。しかし、それゆえに激しい競争と「学歴」にいたる学校格差を生み出したのである。ドーアの後発理論、コリンズの葛藤理論など社会学的分析概念を駆使し、日本の産業化と教育が産み出すダイナミズムを鮮やかに分析・検証。日本の教育が孕む問題点を明らかにする好著、待望の文庫化。

目次

社会的選抜と教育
選抜の諸制度の起源
ヨーロッパ社会と競争的選抜の制度化
公教育制度の成立と社会階級
日本の近代化と選抜制度
公教育制度の成立
職業と試験の制度化
学校教育と特権の構造
学校の階層的構造と企業
社会階級と教育機会〔ほか〕

著者等紹介

天野郁夫[アマノイクオ]
1936年生まれ。一橋大学経済学部卒業、東京大学教育学部教育学科卒業後、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。教育学博士。名古屋大学教育学部助教授、東京大学教育学部教授を経て、国立大学財務・経営センター研究部長、東京大学名誉教授。1984年、『試験の社会史』でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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入江

7
タイトルのことを知るうえで、いいテキストでした。公教育が国家の統制と管轄におかれていくところ、焦点の当て方などシンプルに面白いです。上昇移動のチャンスを利用したのは、旧支配階級としての士族の子弟だったのが皮肉ですね。2017/07/02

真黒コスモス

0
学歴主義はどのようにして起こったのか、学習のための資料だったはずの試験がなぜ選抜に使われることになったのか。面白かったのは、試験において重要なのは「加熱」と「冷却」というところ。2015/07/08

t

0
○正系:傍系=官学:私学の構図は明治から 私学は官学を補完する形で始まる 戦前の私学は今でいうボーダーフリー状態2011/03/05

こうず

0
日本の選抜機構は旧文化への同化でなく新文化の確立という点で得意であったそうだが、形式上、教育機関が身分階層に囚われず門戸を開くという事は、必然的に業績本位の評価をせざるを得ない。学歴社会化の到来は、ある意味で必然的であったのかもしれない。そこに実家の財産が関与してくると、教育における格差再生産は、求められたシステムとはいえ容易に解消しきれる話ではあるまいと思う。2009/12/11

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