ちくま学芸文庫
数学史入門―微分積分学の成立

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  • サイズ 文庫判/ページ数 247p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480089526
  • NDC分類 413.3
  • Cコード C0141

内容説明

ニュートンやライプニッツによって創造された微分積分学。それは近代西欧数学の象徴であり、今日の科学技術社会の基礎である。その学問はいったいどのような思想的・社会的前提の下に成立したのか?古代ギリシャの公理論・解析的発見法、アルキメデスの無限小幾何学、アラビアのアルジャブル、ヴィエトとデカルトの記号代数学、無限小代数解析の形成をたどり、さらに近代西欧社会と東アジアにおけるその受容までの悠久の歴史を包括的に論じ数学的知識の本質に迫る。東京大学大学院数理科学研究科の講義のハイライトを、一般読者向けに簡明にまとめ直して成った、数学史の重厚さを垣間見せる力作。

目次

序論 数学史とはいかなる学問か?
第1章 古代ギリシャの遺産―公理論的数学と幾何学的解析
第2章 アルキメデスの求積法
第3章 ユーラシア数学とアルジャブル
第4章 ヴィエトとデカルトの代数解析
第5章 ニュートンとライプニッツの微分積分学
結論 その後の近代解析学の展開

著者等紹介

佐々木力[ササキチカラ]
1947年、宮城県生まれ。東北大学理学部数学科卒業。のち同大学大学院を経て、プリンストン大学Ph.D.(歴史学)。東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に『近代学問理念の誕生』(サントリー学芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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YO)))

15
「幾何学的⇔代数的」 「総合(公理論)⇔解析(発見的)」 「無限への取組」 といった軸を立てながら、 古代ギリシアの数学が、アラビア数学(アルジャブルの技法)を経て、近代西欧のニュートン、ライプニッツにおいて、如何にして"無限小の代数解析"たる微分積分学に結実したかを通覧する。 門外漢の一読者としては、遠大且つ陸続・連綿たる人類の歩みに感嘆するばかりである(それを可能にするのは書物あってこそだとも改めて思う)。2022/02/27

mstr_kk

6
微分積分学の誕生と完成をテーマにした数学史です。ちょっと難しくてよくわからないところもありましたが、面白かったです。アルキメデスってそんなにすごいのか、とびっくりしました。2020/03/25

左手爆弾

1
古代から初期近代にかけての数学の発展を、微積分手法の成立を軸にして読み解く。古代の幾何学は測地術を中心とする実践的な数学としてはかなりの完成度を見せていた。とはいえ、求積法としては限界を抱えていた。初期近代における数学の発展のきっかけとして筆者が重視するのは、16世紀におけるアルキメデス復興だ。パスカルやホイヘンスは「アルキメデスのようだ」と讃えられた。実践数学の復興と代数学との結合こそが、微積分を生み出す原動力になったということだろうか。2021/02/15

bittersweet symphony

1
佐々木力(1947-)さんの大学院の講義・市民講座のテキストをベースにした数学史概論。古代ギリシャからイスラム(とそれを経由したインド数学)、それらの中世ヨーロッパにおける受容からニュートン・ライプニッツにる微積分の確立まで。前半のイスラムや中世ヨーロッパの数学史は少なくとも文庫・新書ではあまり取り扱っている類書がないもののように思います。ただ内容が内容なので文献学的な記述がメインで読み物としては前半はちとつらい面もあります。2012/11/26

壱萬弐仟縁

1
やや難しい図式、数式もなくはないが、多くは文系出身の人間にもなんとか理解はできるような感じ。古代ギリシア哲学を想起するが、現代使っている高校数学の微積の淵源を知るには好著ど思った。2012/05/17

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