ちくま学芸文庫
東京風俗帖

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  • サイズ 文庫判/ページ数 488p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480087393
  • NDC分類 382.136
  • Cコード C0139

内容説明

物、姿、風情、時がたてばすべて無くなる。しかし、無くなってしまうことはむやみと残ることより一層面白い。そんな思いから、根っからの東京ッ子木村荘八が東京を自ら見、自ら体験し、失われた過去の美化ではなく、生き動く変容を活写した「木村風俗論」の集大成。本書収録の「東京の風俗」(昭和22年)から「東京繁昌記」(昭和33年)までの五篇で、敗戦の痛手から立ち直り、高度成長へと向かいつつあった東京、ひいては現代日本の実態が鋭敏に写し取られた。それは、明治の東京、近代日本の歩みのひたむきさ、おかしさ、かなしさへの共感とともに、他に類のない文明批評の書ともなっている。

目次

東京の風俗
現代風俗帖
定稿 両国界隈(両国界隈;両国・浅草橋真図)
銀座煉瓦
東京繁昌記(隅田川両岸一覧;七夕と盆踊り;佃島;東京の民家;花火 ほか)

著者等紹介

木村荘八[キムラショウハチ]
1893‐1958年。洋画家、随筆家。東京・日本橋生まれ。明治45年、革新的な青年画家のグループ「フュウザン会」に参加し画壇に登場。のち、岸田劉生や高村光太郎らと「生活社」を起こし、さらに、岸田や中川一政らと「草土社」を結成。大正11年、「春陽会」に加わり、以後没するまで独特な風格ある作品を発表し活躍。その間、大仏次郎の『霧笛』などの新聞連載小説に挿絵をそえ、世間の評判を呼ぶ。また、随筆、評論、翻訳などにも健筆をふるい、多くの著書がある。遺著『東京繁昌記』は、その文と絵に対して、昭和34年に日本芸術院恩賜賞が贈られた
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