内容説明
深みに「真実」を求めてはならない。なぜなら「生はいかなる深さも要求しない。その逆である」(ヴァレリー)からである。オルフェウスがエウリディケーと見つめ合った瞳に、アテナの盾を飾ったメドゥーサの首に、マルシュアスの剥がされた皮に、キリストの血と汗を拭ったヴェロニカの布に―神話の根拠を古今の画家たちの作品からたどり、鏡と皮膚の織りなす華麗かつ官能的な物語を読み解く。美と醜、表層と深層、外面と内面、仮象と現実という二元論を失効させるまったく新しい芸術論。鷲田清一との対談「表層のエロス」収録。
目次
序 表層のバロック的遁走
1 オルフェウスの鏡
2 ナルキッソスの変幻
3 メドゥーサの首
間奏 可視性の謎―ベラスケス“侍女たち”をめぐって
4 マルシュアスの皮剥ぎ
5 ヴェロニカの布
6 真理のヴェール
結び 皮膚論的な想像力のために
対談 表層のエロス―皮膚論的想像力に向けて
著者等紹介
谷川渥[タニガワアツシ]
1948年、東京生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は美学。現在、国学院大学文学部教授。E・H・ゴンブリッチ『棒馬考』、バルトルシャイティス『鏡』などの翻訳のほか、著書に『形象と時間』(講談社学術文庫)、『美学の逆説』(勁草書房)、『幻想の地誌学』(ちくま学芸文庫)、『文学の皮膚』(白水社)、『イコノクリティック』(北宋社)、『芸術をめぐる言葉』(美術出版社)、『三島由紀夫の美学講座』(編著、ちくま文庫)などがある
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感想・レビュー
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やいっち
HANA
藤月はな(灯れ松明の火)
三柴ゆよし
ラウリスタ~