出版社内容情報
言語が身体から切り離される以前の状態まで立ち返って心と体と言葉を考えようという真摯な姿勢に感銘を受ける。難解ではあるが、重要な問題提起が為されている。
●知識の表現
知識はいかに表現されるか。知識にかたちを与え、共有可能なものにすることを「表現」と呼ぶ。言語的、グラフ的、動的、静的など、様々な表現の形態と、表現される知識の「相性」を研究する表現の科学は、したがって、知識の科学の本質的な構成素である。
知識とは何か。どのような種類があるのか。いかに表現されるのか。いかに伝達されるのか。
人工知能、認知科学、脳科学の成果を結集しても、こうした疑問に対する最終的な答えはまだ出ていない。知識とそれを取り巻く現象の体系的な理論はまだ存在しない。だから、単なるキーワードとして、一時のはやり言葉として、「知識」を終わらせないために、知識のあるゆる実践の分析と、そのメカニズムの体系的理解が要求されている。
内容説明
メルロ=ポンティの思想の魅力は、言いえないものを言うために傾ける強靱な思想的な営為にある。彼の思考の根幹にあるのは、客体であるとともに主体であり、見る者であるとともに見られるものであるという「身体」の両義性を考え抜こうとする強い意志である。この「身体」という謎によって開ける共同の生と世界の不思議さ。
目次
言語について(表現としての身体と言葉;言葉の問題)
身体について(問い掛けと直観;絡み合い―キアスム)
自然について(自然の概念)
政治と歴史について(プロレタリアから人民委員へ;歴史の理論のための資料;個人の歴史と公共の歴史における「制度」)
芸術について(セザンヌの疑い)
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