ちくま学芸文庫<br> 資本主義を語る

ちくま学芸文庫
資本主義を語る

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480083289
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0133

内容説明

「ノアの洪水以前」から資本主義は存在した。その資本主義の中心にいるのは、はたして人間なのだろうか?「差異の原理」を分析しつつ、資本主義とは何か、そして日本独自の資本主義とは何なのかを解明するスリリングな論考。今村仁司・柄谷行人・網野善彦・水村美苗との四つの対談を併せ収める。

目次

1 資本主義と人間を語る(差異と人間;進化論と経済学;「法人」と日本資本主義;ニッポン人)
2 『貨幣論』を語る(マルクスの逆説(今村仁司)
貨幣・言語・数(柄谷行人))
3 歴史と人間を語る(「百姓」の経済学(網野善彦)
帰って来た人間(水村美苗))

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mm

18
1、日本的企業のあり方は、本来は人格がない法人の機関・器官としてサラリーマンがそれに帰属意識を持って働く。それは「家」制度の構造と類似している。しかし、その特異性は欧米から見ると理解不能。アングロサクソン系の人は、法人はあくまでもヴェールのようなもので、責任は個人が負うもの。西欧の人間中心主義の文脈にのらないとコミュニケーションが成立しない。このあたりの主張は現在進行中かな。2、進化論、自然淘汰という原則だけで進まない。同様に経済も利益の最大化のみでは動かない。偶然・文化の制限等々、多次元の絡みがある。

猫丸

15
再読。確かにマルクスの価値形態論は面白い。そこから労働価値説までは何とかついて行けなくもないが、貨幣の本源を実体としての金に、ひいては鉱山労働者の労働に帰着させるところは、オイオイと突っ込まざるを得ない。のだが、旧左翼の面々は突っ込まない。結果的にマルクスの日本的受容形態は農本主義に行き着いてしまう。市場における最大の曲者は貨幣である。物々交換の繰り返しから疎外された特異な財が貨幣と化した、との歴史の嘘臭さは格別である。岩井さんはそこへ切り込んで貨幣の始源を夢想する。そこには初めから商業資本主義があった。2019/05/14

さきん

11
「ノアの洪水以前」から資本主義は存在した。その資本主義の中心にいるのは、はたして人間なのだろうか?「差異の原理」を分析しつつ、資本主義とは何か、そして日本独自の資本主義とは何なのかを解明するスリリングな論考。今村仁司・柄谷行人・網野善彦・水村美苗との四つの対談を併せ収める。2016/01/20

KAZOO

6
岩井先生は、理論経済学を論じてもらったほうががすっきりするのですが、なぜ資本主義論をこのようなマニアックな感じに難しく論じてしまうのでしょうか?この本のなかには対談集もあり、そちらのほうは比較的わかりやすいのですが、宇沢先生を見習っていただいて、わかりやすく説明してもらいたいと感じます。2013/07/23

D

5
中々難しくてついて行けなかったのですが、「革新とは差異を創造することであり、利潤とは創造された際に対する報酬なのです。」という文章はなるほどなと感じました。まだまだ自分の教養が足りないですね。2021/01/15

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