内容説明
「新しい対象と問題は必然的に現存の理論的場のなかでは見えない。なぜなら、それらはこの理論の対象ではなく、禁止されたものであるからだ…。見えないものは、見えるものと同じく、もはや主体の視覚の機能ではない」。目的論的発展史観として解釈されていた旧来のマルクス理解にかわって、そのテクストの『構造論的』把握を試みた記念碑的著作―その初版(1965年)の完訳である。上巻は、アルチュセール、ランシエール、マシュレーの3論文を収録。古典経済学の「問い」の構造を問い直し、さらに若き日の著作における人間学的把握をこえて、『資本論』ではじめて達成された「科学的認識」を剔抉する。
目次
序文『資本論』からマルクスの哲学へ
『一八四四年の草稿』から『資本論』までの批判の概念と経済学批判(『一八四四年の草稿』における経済学批判;『資本論』における批判と科学)
『資本論』の叙述過程について
感想・レビュー
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Happy Like a Honeybee
7
人間が神を生産する。労働者が対象を生産する。 労働力交換価値。労働力は再生産に必要な交換価値と、より多くの交換価値を生産する使用価値を持つ。労働は価値を創造するが、価値はもたない。つまり剰余価値の可能性を読み取れる。 商品分析から貨幣へ演繹すること。剰余価値と平均利潤の関係を発見したことなど。古典派経済学者との差異であり、マルクスたる所以。2015/07/02
NICK
1
資本論を読んだことないのに資本論読解の本を読むものではないなと思った。とはいえアルチュセールの序文にある「徴候的読み方」についてのくだりはなかなか面白かった。ある考え方から禁止されたもの、抑圧されたものを暴き、別のテクストへ接続するような読み方!2011/01/07
上り下り澱
0
相変わらずアルチュセールの論文は意味不明です。2013/09/08
ULTRA LUCKY SEVEN
0
資本論は関係ない。余計に難解。「資本論を誤解する人たち」に。2012/03/05
Kanou Hikaru
0
本棚の整理中・・・ 経営者・経済研究者に紹介したい本