内容説明
あらゆる表現があらわれた20世紀の美術を鳥瞰し、近代以降、現代すなわち同時代の感覚が生み出した芸術が、われわれにとって持つ意味を知的に探る待望の書。図版多数掲載。
目次
序章 現代美術の課題
第1章 オブジェとイマージュ
第2章 構成と表現
第3章 新しい伝統
第4章 今日の諸潮流
終章 芸術の意味
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
umeko
12
難解なイメージの20世紀美術。ある意味、難解であるには変わりはないが、目からウロコが落ちたように、これまで見えてなかったモノが見えてきた。興味深い内容だった。2014/04/24
D.Okada
5
20世紀はあらゆる表現が出現した世紀であった。本書はそれらを鳥瞰し、現代芸術が人間に対して持つ意味を探るものである。たとえば、ポロック。実際に僕も彼の絵を見たことがある。彼自身、彼の手法がインディアンの手法と同じであることを認めている。それは模倣ではなく、著者が言うには「出会い」らしい。「アメリカ的なるもの」あるいは民族性がポロックの中に宿っており、しかも皮肉にも、ポロックはアメリカ芸術の国際的台頭の先駆でもある。真に民族的なものが国際的環境の中で「綜合」されたのがポロックだったのではないか。2013/02/24
チエコ
4
アンフォルメルやアクションペインティングなどの位置付けがよくわかる。まだ咀嚼しきれていない部分もあるので、いつか読み直したい。2014/09/08
ポルターガイスト
2
「これが本当のリアルやねん」を突き詰めようとして破裂した印象派以後の美術の歴史。例えるなら「どうあがいてもリアルにできないけど,そもそもリアルって何?」って感じか。これから美術館行くのもっと楽しめそう。2021/11/20
バーニング
2
19世紀後半の印象派の挑戦とその挫折の説明から始まり、キュビズムなどさまざまな抽象表現を経て戦後の現代アートを含んだ抽象美術までを一つのストーリーで語り下ろす感じ。原著が1965年なのだが1960年代の美術までフォローされている、戦後のフォローも詳しい。現代の美術史をコンパクトに振り返るためにはいい本。2021/05/20