ちくま学芸文庫<br> 名文

ちくま学芸文庫
名文

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  • サイズ 文庫判/ページ数 395p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480080493
  • NDC分類 816
  • Cコード C0181

内容説明

名文とはどのような文章だろうか?悪文と駄文の違いはどこにあるのだろうか?国木田独歩、夏目漱石、森鴎外から辻邦生、小川国夫、丸谷才一、宮本輝にいたる50人の作家の多彩な名文例の精緻な分析を通して、その名文性のありかを探りつつ、名文のスタイルの構造を解明する労作。日本文学を愛し、日本語に心をよせる人びとのための必読の現代文章読本。

目次

1 名文論―文章の雰囲気に映る人影(名文の位置づけ;名文の条件;移りゆく名文像;名文とは何か;名文作法)
2 名文の構造―文体に迫る表現美の分析

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

37
第一部は名文に関しての総論的な話です。筆者の日ごろの考えすなわち何が名文か何が悪文かは書く人や読む人によってかなり異なるということが伺われて結構印象に残りました。また第二部は各論になっていて、様々な作家50人の文章が紹介されておりそれについての解説がかなり克明に論じられています。非常に参考になりました。2014/12/08

井月 奎(いづき けい)

28
名文を様々な角度から論じて、豊富な引用は具体的にその名文たるゆえんをしるします。読んで感じたのですが、文字、言葉は無機質なもので、それを素材として書く人の思いや思考という、いわば有機質のものを分解変質して、再構築を行い、伝達と保存を容易にします。そして、「名文」は観賞した人が愛でて、記憶に残り、媒体も多くなりさらに多く広く伝達と保存がなされるのです。他の方法、絵、音楽、舞踊などもそうでしょうが、その素材に甘えることなく、創意工夫をして活かしきったときに傑作がうまれて、数百年の命を得る古典となるのでしょう。2015/11/03

jjm

8
名文とは、品格でも風格でもなく、「雰囲気」「人をまるごとまいらせる文章」との筆者談。よくワカラナイ。太宰の『富嶽百景』の一節「井伏氏(鱒二)は~放屁なされた」に対し「堂々たる態度で放屁行動をおこなう目の前の人物がいかにも大きく見たえたのではなかろうか」という解説に笑ってしまった。北杜夫の『幽霊』で、本や黴の匂いにより、亡き父を思い出すくだりはよくワカル。確かに私も仁丹や枕の加齢臭の匂いで父を思い出す(存命ですが)。この文章はよくわかるなぁ、共感!というものを、自分の名文ということにしようと思う。2021/02/20

七時半

6
内容どうこうよりもまず文庫本の薄い紙の束の中にきれいな文章がいっぱい詰まっているというだけで喜びを感じる。読みやすさ、きれいな表現、歯切れの良さ、それらだけでは測れない名文もあるのですね。目次にならんだ本たちのどれから読んでいこうかは大いに迷うところです。2015/04/27

なおぞーちゃん

4
中村明「名文 」(ちくま学芸文庫)読了。私は本を読む時、ストーリーよりも文章が気になるタイプで、とにかく、美しい文章に出合うと嬉しくなってしまうのだ。そんなタイプの人にはピッタリの本。未読の本もたくさん出てきたので、ぜひ読みたい。日本語っていいな。2015/06/04

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