出版社内容情報
学問の王道から邪道まで、著者自身の苦悩から生み出されたテクニックを満載! 大学生はもちろん社会人も、読めば学問がしたくてしょうがなくなる、誘惑の一冊。
内容説明
もしあなたが素晴らしい文化的環境に生まれ、幼い頃から自然に知的な営みの作法を体得してきたのであれば、本書は無用の長物かもしれない。だが、もしもそうではなくて、一度でも学び方に悩みを抱いたことがあるのなら、ぜひページをめくってほしい。本書は、著者自身の学問修業時代の悩みを出発点に、普段教えている大学生に語りかけるようにして記された、すべての学びたい人に向けたエールであり、読めば学問がしたくてしょうがなくなる、誘惑の書物である。
目次
第1章 知的モチベーションの技法
第2章 知的体育の技法
第3章 知的生活の技法
第4章 情報収集の技法
第5章 読書の技法
第6章 議論の技法
第7章 問いかけの技法
第8章 レポートの技法
第9章 論文執筆の技法
おわりに この技法を抜け出るとき
著者等紹介
橋本努[ハシモトツトム]
1967年東京都生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科課程博士号取得。現在、北海道大学大学院経済学研究科教授。専攻は経済思想、政治哲学、社会理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
morinokazedayori
53
★★★★★そうか、学問とはこうやって深めていくものだったのかと、隅から隅まで唸りながら読んだ。大学入学初期の頃にこの本に出会えたら幸せだろうと思う。知的な生活の送り方、読書や議論、論文作成など、知に纏わる様々な技法が紹介されている。主に大学生に向けて書かれているが、学び続けたい気持ちのある初学者には心に響く内容。古典もたくさん紹介されていて、読みたい本が増えた。2016/06/27
Miyoshi Hirotaka
38
17年の革命、91年の連邦崩壊、98年の債務不履行と二十世紀に三度崩壊したロシア。このうち二つの激動を商社の現場で経験。おかげで、「国ですら崩壊する、況や会社に於いてをや」という法則を体で覚えた。環境変化は不可避。これに適応するには個人が変化するしかない。そのためのツールは学問。一定範囲を制限時間内に習得するのが勉強であるとすれば、学んで問いを発しつづけるのが学問。勉強したことは学び終わった直後から陳腐化するが、学問は変化し続ける。学問の技法を身に付け、課題を設定する力を養うことが個人にも社会にも必要だ。2014/08/17
壱萬弐仟縁
14
大学生はもちろん、多くの市民が学問にアクセスし、どのように学ぶべきか、手取り足取り、懇切丁寧に書かれた入門書。第5章読書の技法はじめ、有益な指南が多い。夜間学生を指導していたときに具体的なアドヴァイスをしたときの経験が生かされたノウハウのようだ(013頁)。持続的勉強は腹筋と背筋(045頁)とのこと。文武両道ということか。古典は二度読む(138頁)。感想と批評を書く(141頁)とは、本サイト愛好者が既に実践していることである。わかったつもりを排するきっかけを与えてもくれる。あらゆる学問を志向する者の動機。2013/05/29
き
11
大学1年の時に読んだ本を6年ぶりに読んでみた。当時は全然頭に入ってこなかったが、今改めて読んでみると「なるほど」と楽しみながら読むことができた。特に、情報収集の技法や読書の技法は興味深く読み進めた。個人的な感想だが、6年前の自分との本の読み方の違いを感じられて面白かった。2020/12/07
たみ
10
大学生向けに書かれた一冊。学問への基本姿勢、情報収集、読書法など、学びに関する技法を幅広く紹介しています。一番興味深かったのは、知的体育の章です。長時間読書のために、背筋と腹筋を鍛えると良いそう。参考にしたいと思います。2019/02/23