出版社内容情報
無策な政治により拡大した財政赤字を解消し、社会保障制度を破綻させないためにはどうしたらよいのか? 国民生活の質の面から公平性を軸に税財制を考える一冊。
内容説明
政治の無策により、日本の財政赤字はGDPの2倍にも及ぶ深刻な額になった。このままでは国債の利払いもままならず、ギリシャの経済破綻も他人事ではない。マイナス成長が続き、企業が生産拠点を海外に移す中、税収の自然増は期待できない。事業仕分けが一段落し、霞ヶ関埋蔵金もあらかた掘り尽くされた今、少子高齢化によって増大する社会保障財源はどこから捻り出せばよいのか。それともアメリカ型の低負担・低福祉国家を目指すべきなのか?国民の生活水準の維持と、社会的公平性を軸に、日本の税財政を考える。
目次
第1章 低い租税負担志向とその限界―長年の間に醸成された環境
第2章 政府の関与する分野の拡大―何故、歳出規模は増大しやすいのか
第3章 財政赤字累増の実態―財政破綻の危機
第4章 増税回避の背景―「何も決められない日本」の姿
第5章 増税時代の到来―社会保障と財政再建のための財源確保
第6章 消費税との共存―不可避な選択
第7章 税制改革その他の諸問題―これからの税制の姿
著者等紹介
石弘光[イシヒロミツ]
1937年東京生まれ。一橋大学経済学部卒業。同大学院博士課程修了。経済学博士。専門は財政学。一橋大学経済学部教授を経て、同大学学長(1998~2004年)。退職後、2007~11年の間、放送大学学長を務める。現在、一橋大学ならびに中国人民大学名誉教授。その間、政府税制調査会会長(2000~06年)、財政制度等審議会、経済審議会、金融制度調査会などの委員を歴任。税制に関する主な著書として、『財政構造の安定効果』(勁草書房、毎日エコノミスト賞)、『租税政策の効果』(東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞)、『財政改革の論理』(日本経済新聞社、サントリー学芸賞)、『現代税制改革史』(東洋経済新報社、租税資料館賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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