出版社内容情報
三〇~四〇年後、米中冷戦の進展によって、世界は大きく変わる。太平洋体制と並行して進展する中東の動きを分析し、徹底したリアリズムで日本の経路を描く。
内容説明
30~40年後、米中冷戦の進展によって、世界は大きく変わる。視野を広げて考えるならば、両大国の狭間にある日本にとって、やがて訪れる勢力均衡の大変化は死活の問題である。本書では、太平洋体制と並行して進展する中東の動き―とくにイラン、イスラエル、米国の三角関係―を分析し、巨視的に世界情勢を読み解く。その補助線として「核」を俎上にのせ、人類は核兵器のコントロールがいかに可能なのかを問う。祖父として孫の時代を心配する学者が、徹底したリアリズムをふるって日本の経路を描く。
目次
第1部 米中関係の展開と日本(失われた二〇年前の楽観主義;米中冷戦の明白化;「積極外交」による米国の同盟固め;米中冷戦の決着―ひとつのシナリオ;歴史が示唆するもうひとつのシナリオ―明治以来の日本の勃興;安心材料?自己欺瞞?)
第2部 まぼろしの核兵器(核不拡散という至上命令;イランの核;米国・イスラエル・イランの三角関係;朝に紅顔、夜に白骨―NPTの履歴書)
第3部 では、どうしよう?(MADの普遍化;ある晴れた日;想像と現実)
著者等紹介
ドーア,ロナルド[ドーア,ロナルド][Dore,Ronald]
1925年生まれ。イギリスの社会学者。専攻は日本の経済および社会構造、資本主義の比較研究。ロンドン大学名誉教授、同志社大学名誉文化博士、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス特別研究員、英国学士院、アメリカ芸術科学アカデミー会員、日本学士院客員。社会学のみならず、経済学、人類学、歴史学、比較産業研究の各分野に貢献した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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