出版社内容情報
ストレスや放射能、病原体に打ち勝ち長生きする力は誰にでも備わっている。長寿遺伝子や寿命を支える免疫・修復・再生のメカニズムを解明。長生きの秘訣を探る。
内容説明
ヒトは最大一二〇年間生きられることが長寿者の調査と分子生物学の研究で明らかになってきた。寿命に深く関与する染色体の「テロメア」と「ミトコンドリア」の不思議や、免疫、分子修復、再生などの機能で守られた精緻な人体メカニズムをわかりやすく解説。その機能を十分に生かして一二〇歳という寿命をまっとうするライフスタイルを提案する。また昨今注目されているサーチュイン長寿遺伝子説の真偽や、ｉＰＳ細胞による再生医療など、最新の話題も交えて寿命の限界を解説する
目次
第１章 寿命とは何か
第２章 寿命時計テロメア
第３章 カロリー制限で寿命がのびる？―サーチュイン長寿遺伝子説の真偽
第４章 寿命を支える―免疫機能と生体防御
第５章 遺伝子を守る―放射線や酸化ストレスとの闘い
第６章 がんを避ける
第７章 再生機能と再生医療
第８章 寿命をのばすライフスタイル
著者等紹介
杉本正信［スギモトマサノブ］
１９４３年生まれ。東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了。薬学博士。専門は細胞生物学。国立予防衛生研究所主任研究官、ハーバード大学医学部研究員、ジーンケア研究所副所長などを務め、感染免疫研究やワクチン開発、老化遺伝子の研究に取り組む。現在、サイエンス・ライター（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
6
評者はその３分の１過ぎたが、どうもこのままでは四十路内で逝ってしまうだろう。全く健康には自信がない。テロメアとは、人のDNAの末端を保護するTTAGGGの塩基配列（０２９頁）。この長さが寿命に影響するという（０３２頁）。だが、マウス実験で長くても短命の逆説例もある。DNA修復がうまくできればいいようだが。福一原発からの放射性物質で寿命は短くなるだろう。佳人薄命（１８５頁）。評者が短命を意識していきているのは、本書に書いてある長寿条件を満たさないからである。生き急ぐのはその自覚があるためである。2013/04/03
河童
1
ちと難解なところもあるが、再生医療のお話などは今話題の山中教授のiPS細胞の話がでてきて興味深かった。 体性幹細胞、ES細胞（胚性幹細胞）、クローンES細胞、iPS細胞（人工多能性幹細胞）の比較は分かりやすい。 今後のiPS細胞の課題なども見えてきてとても参考になった。ひとつだけ、残念な記述が、、、 体性幹細胞を用いた再生医療の現状と題した表のなかで、「毛根」の欄に×がついていたこと。山中先生、お願いですから、iPS細胞で私の毛根を再生してくださいませ。2012/11/20
TAKA
0
面白い。聖書の中に「そこで、主は、『…人の齢は、百二十年にしよう』と仰せられた。」ということばがあったから興味本位で図書館で借りてみた。
パット長月
0
タイトルから軽いノリを予想したが、思いのほかアカデミックな本で、薄い割には読むのに苦戦。副題のノリが正しい。これはブルーバックスか、と当惑の記述が続くかと思えば、通俗的？な本からの引用もあり、不思議な書物。思えば、「寿命」なんていう、とんでもなく間口の広いテーマを相手にしているわけだから、自ずと扱う対象はあれやこれやと広がるわけで、一つ一つの掘り下げというか、説明は簡潔になるのも当然だが、もう少し丁寧だとよかった。でも、これは編集とかの責任か。しかし、勉強になったことも多く、最後まで読んでよかった。収穫。2012/06/19
chisa
0
ちょっと前に話題になった、カロリーを制限してサーチュイン長寿遺伝子を活性化させて長寿＆若々しく…というのが、人間に関してはクエスチョンだと最近判明してきたことが載っていて面白かった。カロリー制限→免疫力の低下→無菌実験室ではない人間に対して、プラスの効果があるのか？ということの模様。他の話題も分かり易くて理解しやすかった。2012/06/07
