内容説明
古事記は、律令国家の由緒を描く史書として読まれてきた。だが、こうした理解には根本的な誤りがある―。日本書紀には存在しない「出雲神話」が必要とされたのはなぜか。どうして権力にあらがい滅びた者たちに共感を寄せるのか。この作品の成り立ちを説く「序」は真実か…このような疑問を通じ本書は、「国家の歴史」以前から列島に底流する古層の語りとして、古事記をとらえ返す。それにより神話や伝承の生きた姿、魅力がよみがえる。古事記の世界を一望に収める入門書の決定版。
目次
序章 なぜ古事記を読みなおすのか
第1章 青人草と高天の原神話
第2章 出雲の神々の物語
第3章 天皇家の神話―天から降りた神々
第4章 纏向の地の物語
第5章 五世紀の大王たち
第6章 滅びへ向かう物語
終章 古事記とはいかなる書物か―語りの世界と歴史書の成立
著者等紹介
三浦佑之[ミウラスケユキ]
1946年三重県生まれ。古代文学・伝承文学専攻。千葉大学教授などを経て、立正大学文学部教授。第五回上代文学会賞、第一回角川財団学芸賞、受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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