出版社内容情報
経済学の巨人たちは時代の課題とどう向き合い、思想を構築したのか。主要テーマ別に学説史を描くことで読者の有機的な理解を促進。
内容説明
経済システムを貫く客観的法則をはじめて見出したケネー。国民を豊かにするために何が必要かを徹底的に考え抜いたスミス。こうした経済学の草創期からリカード、マルクス、ワルラスらを経てケインズ、シュンペーター、ガルブレイス、そしてフリードマンやマンキューなど現代の経済理論に至るまでを平明に解説。重要トピックごとに学説史を再構成することで、それぞれの経済学者が提示した理論間のつながり・対立点が鮮やかに浮き彫りになる。第一人者による入門書の決定版。
目次
プロローグ 経済学史の全体像をおさえる
第1章 経済循環の発見
第2章 価値と分配の理論
第3章 ケインズ革命
第4章 多様なケインジアン
第5章 制度主義の展開
著者等紹介
根井雅弘[ネイマサヒロ]
1962年宮崎県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院経済学研究科教授。専攻は現代経済思想史。経済学の歴史を丁寧にひもとき、経済学者らが残していった思想や考え方を、多くの読者に伝えつつ、経済学のさらなる発展に努めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Francis
14
入門書なんだけど、経済学史の入門書としては侮れない。シュンペーター、スラッファを取り上げるあたりが通好み。でも本格的に経済学を学ぶのであれば、この本ぐらいはきちんと読んで問題意識を持っておくべきだろうと思う。著者の根井先生は理論経済学者として優れた方で、この本の内容が優れているのもうなづける。2017/04/27
浅香山三郎
7
数式が出てくると、理解力が落ちてしまつたが、第5章「制度主義の展開」は面白かつた。要再読。2019/04/08
Nさん
5
経済学史の解説本。古典派→限界革命→ケインズ・マクロ経済学→ルーカス批判・ミクロ的基礎付け→ニューケインジアン+制度学派の紹介。制度学派の研究は、ミクロ理論(方法論的個人主義)だけでは説明しきれない部分に着目する。社会を批判的に斬るガルブレイスのまなざし、ミュルダールの非経済学的要因への気付き、彼らの学問的態度はどこか社会学に通じるものがある。経済学がその発展の背景を捨て去り、単純・簡略な理論として教科書化され、世の中の普遍的な思想として社会に定着することは危険だ。表題こそ入門だが、読み応えのある一冊。2020/01/05
ぷるぷる
3
ビジネス書を読んでいると一般教養としてケインズやシュンペーターがよくでてくるが、そんなに深く知りたいわけじゃないけど、話にはついていきたい理系人が簡単かつ気軽にお勉強できる本としてはまぁまぁ当たり。著者も書いているが時系列にしたがって経済学を追っかけていくのではなく、幾つかの流れに焦点を当てて章立てされているのが私にはピンと来た。最初から分類されている中で語られているのでケインズの偉大さとかが良く伝わってきた。これ一冊で十分というわけではないが、基礎知識として読んでおくには妥当という言い方が適切。2011/02/19
aya
2
経済の歴史を期待して本書を手に取ったが、経済学という学問の歴史を解説したものであることが分かり「しまったな」と。数式が当たり前のように登場したり、巻末に補遺があるとはいえ経済の基礎事項をすっ飛ばした解説があったりと入門書とは言えない内容であった。難しかったです。2016/08/15